日本のマスコミがあまり取り上げていないせいもあって、犠牲者は死に損だなくらくらいにしか考えていなかったのだが荒木氏の一文を読んで、もしかしたら戦争……という緊張感が走った。

[調査会NEWS 913](22.4.9)
■「天安」爆沈
                          荒木和博


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 直接拉致問題というわけではないのですが、韓国海軍の哨戒艦「天安」の爆沈は今後の日朝関係にも大きな影響を及ぼす可能性があります。韓国では連日トップニュースなのですが日本での報道はごく僅かなので、書いておきたいと思います。

 この事件は去る3月26日午後9時半頃、北朝鮮に近い韓国西北端のペンニョン島近海で警戒活動中だった「天安」(1200トン)が突然爆発し、艦首から三分の二のところで真っ二つになり艦尾はそのまま沈没、艦首も横倒しになり、その後しばらく流されて7キロほど離れたところに沈没したという事件です。


 「天安」は海上自衛隊で言えば「ゆうばり」型を一回り小さくしたような艦で、小振りとは言え長さ88メートル、幅10メートルあります。それが真っ二つになるのですから尋常な衝撃ではありません。乗員104名。うち46名が行方不明になり、これまでに2人の遺体が船内から引き揚げられています。

 艦首、艦尾共に引き揚げの準備が進められており、引き揚げられれば原因が明らかになるでしょうが、これまで様々な可能性が報じられてきました。

(1)座礁ないし老朽化による疲労破壊
(2)艦内で兵士が何らかの理由で爆薬を持ち出して自爆した
(3)韓国軍の機雷ないし朝鮮戦争当時国連軍、北朝鮮軍等が撒いた機雷に接触した
(4)北朝鮮軍による魚雷ないし機雷による攻撃


 (1)については座礁や老朽化で突然真っ二つになる可能性は低く、また2度にわたる爆発が起きており、割れた部分には弾薬がなかったことからも可能性はほとんどないと思われます。
(2)も軍艦内の弾薬管理は厳格であり、少なくとも艦を真っ二つにするだけの爆薬を持ち込んで爆発させるのは難しいと思われます(爆発の大きさはTNT火薬200キロ分とも言われています)。
(3)機雷の可能性もないとは言えませんが、韓国軍はこの海域には機雷は敷設していません。北朝鮮側からは海流の関係で流れてくることはありえず、朝鮮戦争当時の機雷の爆発というのは可能性としては極めて僅かです。


 元韓国海軍の少佐で戦隊長なども経験している高ヨンチョル・拓大国際開発研究所客員研究員とも色々議論しているのですが、他の可能性も全く排除はできないものの、現時点で最も可能性が高いのは北朝鮮軍の潜水艦・潜水艇による魚雷ないしカプセル型機雷による攻撃ではないでしょうか。韓国国内の専門家も多くはその可能性が高いと指摘しています。

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 現在韓国政府は極めて慎重な姿勢を維持していますが、船体の引き揚げが終わって沈没原因が攻撃によるものと確認されれば報復措置も含めて何らかの行動をせざるを得ません。一つ間違えば局地戦ということになりますから非常に難しい立場に置かれます。

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 北朝鮮による攻撃だった場合、それへの対応も含め南北関係だけでなく東アジア全体が動きますし、もちろん北朝鮮の中にも大きな衝撃が加わることになります。プラスかマイナスかは別にして拉致問題にとっても極めて重要な変化になるはずです。

 しかし、残念ながら日本の政治にそのような大きな変化に対する緊張感は感じられません。子ども手当もいいですが、与野党含め、本当に大事なことは何なのか、政治がすべきことは何なのかをしっかり考えてもらいたいと切に思います。戦略のミスを戦術でカバーすることはできません。報道するマスコミ、そして私も含め国民も責任を逃れられるわけではありませんが。



 救う会のいう金正日が死亡後の内乱状態に備えるべきという仮定の話と違ってリアリティがある。もし北朝鮮の仕業という確かな証拠が出たら、韓国国民の怒りが爆発するだろうが、北朝鮮は韓国の右翼勢力の陰謀だなどと言って、シラを切るであろう。李明博政権が中途半端な態度で国民の怒りを沈静化しようなどとしたら命撮りとなる。荒木氏の言うように、相応の報復措置を取るであろう。そうなったら、完全な戦争状態である。鳩山ノーテンキ政府はそんなことは欠片も考えていないであろう。






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