PSA高値、前立腺生検の正確性について、問題点は?
皆さんこんにちは、暑い日が続きますが、お身体大丈夫でしょうか。
今日は、PSA高値、MRI異常後に行われる確定診断をつけるための、前立腺生検の正確性についてです。
前立腺生検とは、麻酔下で前立腺に針を刺して、組織を採取してがんかどうかの確定診断をつけるための検査です。
組織診断ではじめてがんと診断されます。
そもそも、生検の診断、ただしいのでしょうか?
生検診断には下記のような問題点があります。
①組織が正しくとれているかどうか?
② 組織病理診断が正しいかどうか?
こうした問題があります。
組織が正しくとれているかどうか?
・生検を行う術者の技量
・MRI診断が正しいかどうか
生検は、比較的若い先生方が行うことが多いかもしれません。MRIを正しく診断し、異常部位があれば正確に組織を採取することが重要です。異常部位があってもとれていなければ正確な診断が出来ていない可能性があります。
病理組織診断が正しいかどうか?
・病理診断医による差
・施設による差
病理組織診断もやはり重要です。これは、診断病理医による差です。
がんか同課の診断には大差はないかもしれませんが、前立腺がんではグリソンスコアといった組織構築をみるスコアリング診断があります。この数値によって、限局がんではリスク分類が行われます。つまり治療方針が変わることがあります。
グリソンスコアは、診断医や施設による差があるのが現状です。多くの治療病院では、他院で生検した場合、再度プレパラートを確認するのはそのためで、それだけグリソンスコア診断は前立腺がん診断、治療においては重要となります。
そもそも上述しているように、きちんと悪い部分の組織がとれていなければ、グリソンスコア診断が変わる可能性があり、上述の正しくとれているかも重要となります。
なかなか患者さんからはわかりずらい部分ですが、非常に重要な部分であることをお伝えしておきます。
わたしの施設では、必ず、自分でターゲット生検を含めて行っています。また、診断も信頼できる病理診断施設と提携してグリソンスコア診断を行っています。
前立腺がんにおける生検診断は非常に重要なんです!
佐々木クリニック泌尿器科芝大門
院長 佐々木 裕