日帰りSpace OAR(スペーサー)挿入についてのご紹介! 

 

みなさん、こんにちは。

 

今日は、Space OAR(スペーサー)についてのご紹介です。

 

”Space OAR(スペーサー)”これ何?と思った方多いのではないでしょうか。

 

これは、前立腺がんの放射線治療時に、直腸と前立腺の間に挿入するゲルで、これを注入することで放射線治療による直腸照射を予防でき、合併症の低減が期待できます。

 

前立腺がんの放射線治療は、

 

・外部照射(IMRTや3D-CRTなど)

・組織内照射 (小線源治療やHDRなど)

・粒子線治療(重粒子線治療、陽子線治療など)

様々な種類があります。

 

最近では、多くの放射線治療で、このスペーサーの挿入が行わることが多いです。

 

放射線腫瘍学会適正使用指針より引用

 

どうしても前立腺と直腸は、ほぼ接しているため前立腺に十分は放射線を照射しようとすると、直腸にも放射線があたってしまうため、直腸の放射線障害がしばしば問題となってきました。本処置を行うことでこれが回避できる場合が多いとされています。

 

素材は、ポリエチレングリコールで約3か月間形成を保ち、半年から1年で吸収され体外へ排出され、体への害はないとされています。

 

私のクリニックでは、放射線治療施設と連携して、本手技を日帰りで行っています。

 

一人でも多くの放射線治療を受けられる患者さんが、直腸による放射線障害なく治療がうまくいくことを常に願っています。