佐々木クリニック泌尿器科芝大門 院長佐々木です。

 

今日はPSA検診の目的です。

 

そもそもがん検診の目的って何でしょう? これを医学生に聞いてもみんな”早期発見!!”と答えます。

本当に早期発見でしょうか?

 

前立腺がんでは、PSA監視療法といった治療選択肢があります。

これは、がんの診断がありますが根治治療(手術や放射線治療)を施行せずにPSA採血でフォローしていき、数値、画像、再生検の変化があったら、根治治療を行うものです。

 

これってラッキーと思いますか?それともがんなのに何もしなくて不安?

 

本当はまだ、みつけなくてもよかったがんが診断されている可能性があります!

 

 

がん検診の目的は、”がん特異死亡率の低下”です。つまりPSA検診ですと、前立腺がんで亡くなる可能性が低下すれば意味があります。前立腺がん検診では、約20%のがん特異死亡率の低下といったデータが海外にあります。(Eur Urol 2019Jul;76(1):43-51)

 

よってPSA検診は、がん検診としてもちろん意味はあります!しかし、すべて早期発見でいいというわけではありません。

 

早期発見=がん特異死亡率低下なら意味がありますが、 一部の前立腺がんでは、過剰に診断されている場合があります。

前立腺でなくなる可能性、影響する可能性があるがんをみつけ、治療していくことが重要です。

 

まず、PSA高値になったら、この辺の意味がわかる泌尿器の先生方とご相談されることを強くお勧めします。PSA高値だから何でもかんでも生検ではありません!
 

無駄な生検、治療意義が低いがんをみつけないために、、、