先日の議会、「地方議会議員年金制度の復活に反対する意見書」について、

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地方議会議員年金制度については、運用の行き詰まりにより、平成23年に制度廃止が決定されました。平成28年7月27日、全国都道府県議会議長会において被用者年金制度に加入して基礎年金に上乗せの報酬比例部分のある年金制度とするなど、地方議会議員の年金制度に関する法整備を早急に求めるとの決議がなされ、国に要望活動が行われたということであります。また、全国市議会議長会、全国町村議長会も同様の理由で要望活動が行われています。

 ちなみに、復活を求める理由については、地方議員のなり手不足が深刻化している、人材確保のために年金制度が必要だという主張であります。

 なり手不足に対応するために、待遇をよくして人材確保を図るという発想のようでありますが、私には理解でき兼ねます。住民の生活向上よりも自らの待遇改善を目指すような者を増やすことが、地方議会の目指す道でしょうか。なり手よりも、地方議会議員が多いことの方が課題です。

 国民・住民の税負担により、議員の待遇を改善してまでも、人材確保を図ることは到底、国民の理解を得ることができるものではありません。

 そして、平成23年に地方議員年金制度が廃止されたとはいえ、年金受給資格のある元議員等のために、今後50年にわたり公費負担は続くこととなります。総務省によれば、その公費による負担累計総額は約1兆1400億円もの巨額に達すると試算されております。大阪市負担分についても、平成27年度は、4億を超えています。受給者は徐々に減少するとはいえ、同様にこの先約50年間続くことになります。

 これら公費負担累計総額の約1兆1400億円の原資は、言うまでもなく全て税金であります。国や各地方自治体の財政運営に多大な影響を及ぼしているのが事実であることを忘れてはなりません。

民間企業は常にリストラや倒産のリスクと隣り合わせであり、地方議会議員だけが不安定な立場に置かれているわけではありません。

 思い返せば、議員年金廃止後における前回の統一地方選挙で、議員年金復活を公約に掲げた議員はいなかったはずです。

   年金については全国民的な課題であり、過去に消滅した、多額の一般国民の年金に関わる問題すら解決していないのに、自分たちの議員年金はしっかりと確保し、特権身分としての議員であるかの如く、特別待遇を保証する道を目指すことなど、国民が理解するところではありません。議員年金の復活より先に、議員定数の削減など「身を切る」改革を行う必要があるのではないでしょうか。政治は議員のためではなく、国民の皆さんのためになくてはならいものです。