どうもです。鉄道ネタをお届けします。

今回は、高知を走る路面電車「とさでん交通」の話題です。

このブログでは、平成31年4月29日(月)~令和元年5月3日(金)の時点の情報です。

 

この前のブログでは、200形に特化して綴りましたが、このブログでは、その他気になった話題を綴りたいと思います。

 

①重大インシデントによる変化

 

この時訪問した時に各電停に貼ってあったポスターから紹介したいと思います。

訪問1か月前に重大インシデントを起こしたが故に、電車の日イベントが中止になると言う内容です。

とさでん交通は、西側の鏡川橋~伊野までが単線区間です。

更に、高知大学の最寄り駅である朝倉から伊野までは、通行票(タブレット)交換を行います。

路面電車でタブレット交換を行うのは、現在では、このとさでん交通しかありません。

この時発生したインシデントは、タブレット交換してない(通行票不携帯)の電車が侵入してしまい、一歩間違えたら、正面衝突になってしまうと言うものでした。

 

このインシデントが発生する前は、タブレットの交換は、電車の運転手同士で行ってました。

このインシデントが発生してからは、こんな風に変わりましたと言うのを紹介したいと思います。

 

まず、タブレット交換の東端である朝倉(高知大学前)駅

ただの道路ですが、ちゃんとした駅(停留所)です。

ビニール傘を差した男性がいらっしゃいますが、この方はお客さんではなく、とさでん交通の職員の方です。この方が重要な役割を果たしています。

 

西に向かう伊野行電車がやって来ました。この電車は、ここまで通行票が必要ありませんが、この先に行くには、通行票(タブレット)を持たないと駄目です。

 

先ほど待機していた職員の方が、運転手さんに声掛けしてます。

 

通行票を持った反対方向の電車が来るのを待ってます。

 

ちょっと遅れ気味ですが、ちゃんと待ってます。電車が出発しないようにガードしている風にも見えます。

 

反対の東に向かう、文珠通行の電車がやって来ました。この電車が通行票を持っています。

 

この電車から通行票を受け取り、

 

伊野行の運転手に渡します。

職員の方が持っているものが、タブレット(通行票)です。
これで無事に出発出来ます。
 
もうお分かり頂けたと思いますが、タブレットの授受は、インシデント発生前までは、運転手同士で行っていましたが、発生後は、職員を介しての授受に変更になりました。
所謂、インシデント後の対策と言うやつです。
 
次のタブレット交換場所である、八代行違場所にも職員が常駐しています。

 

②朝倉行最終電車乗車

 

朝倉行は、かつては、1日中あった割とポピュラーな行き先でしたが、減便に伴い、平日の朝夕ラッシュ、最終便と、休日の最終便しかなくなってしまいました。平日のラッシュ時と、最終便では、車内放送に若干の違いがあるので、録音したく乗車しました。

 

とさでん交通の最終便は、行き先表示に【最終】と言う文字が加わります。

昔の幕式の時は、赤地に白抜きの文字で最終便を表示していました。

 

朝倉行は、前に青の菱形サボが付きます。

昔は、朝倉のみでしたが、いつからか高知大学前も併記されるようになりました。

 

先ほども触れた車内放送ですが、最終便以外は、朝倉終点のアナウンス時に「伊野方面に行かれる方はお乗り換えです。乗換券貰ってください!」的な案内がありますが、最終便は、「伊野行は終了しています。」と言うアナウンスが流れます。

ちゃんと設定されて使い分けているんだと感心しました。

 

この最終朝倉行は、蛍橋の車庫入庫する関係で、鏡川橋まで営業運転されます。間3駅で誰も乗らないと思われるけど、回送にしない所が素敵です。

 

しかも、10分後には、伊野からの最終鏡川橋行がやって来ました。この便も客乗ってませんでした。

 

③「いの」から「ごめん」まで通し乗車

西の端である伊野と、東の端である御免町まで22.1Kmありますが、通しで走る便はごく僅かです。休日の夜は、伊野から御免町まで通しで走るのが2便あります。

今回乗ってみました。勿論、通しで乗っているのは自分だけでした。

 

車内の終点時の運賃案内です。途中60以上の停留所がある割には、運賃区間が7つしかありません。20年前は、運賃区間9つでしたが、より簡素化されました。しかも、整理券番号1~4までが同額です。

伊野で乗ると、整理券番号1です。東に向かうに連れて、番号が上がっていきます。因みに市内均一区間~介良通までが整理券番号4なので、均一区間以降は定額になります。つまり、10Km程度全く運賃が変わらないのです。

とさでん交通の運賃は、短距離、長距離の人にはリーズナブルな設定ですが、中距離の人にはちょっと高めな設定です。

300mしか違わないけど、160円変わってしまうケースもあるので注意が必要です。

これだけメリハリのある運賃設定は、全国でも稀と言っても良いかと思います。

 

とさでん交通は、今は電光掲示板で運賃案内が出ていますが、昔は全体の運賃表しか貼ってなかったので、咄嗟にいくらと聞かれても分かりにくかったです。

その名残もあって、運賃区間が変わる時は、運賃の案内を車内放送で言ってます。全国でも珍しいです。

 

上の写真の場合は、「これより運賃区間が変わります。御免町終点まで、整理券番号1,2,3,4の方が460円、5の方が300円、6の方が220円、7の方が120円です。」と言うアナウンスが流れます。自分は、このアナウンス大好きです。初めて通し便の全運賃区間の案内が聴けて幸せでした。

 

④紙の博物館訪問

 

4月30日に最新鋭の「ハートラムⅡ」に乗り、伊野にある紙の博物館に行きました。

こんな新しい車両が伊野線の単線区間に入れるんだと感心してしまいました。

 

紙の博物館は、伊野電停から徒歩10分位のところにあります。

 

紙の歴史が学べたり、土佐和紙の紙すき体験が出来たりします。

水が綺麗で、紙の原料になる、楮、三椏、トロロアオイが育ちやすい環境だったのもあり、土佐の重要な産業になっていたようです。

土佐和紙を全国各地に海上輸送する為に、伊野から桟橋まで鉄道を敷いたのが、とさでん交通の始まりだというのを知って感動しました。

自分が紙関係の仕事をしているのもあって、余計土佐が好きになりました。

 

ざっと、この時自分が気になったことを綴りました。

今回、かなりマニアックな視点で恐縮ですが、是非土佐に足を運んで皆さんならではの発見をしてみてはいかがでしょうか?