笹井恵里子のブログ

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執筆は苦手、でも企画立案と取材が大好きなジャーナリストです。

 今週のサンデー毎日で、米山先生の新刊『医師が教える元気脳の作り方』にからめて、元気脳の記事を書きました。

 今回、原稿を仕上げて確認としてお送りすると、米山先生から「いやー最高です、私の本より面白い文章。書き方うまいなあ。感心するばかり」とメールをいただき、もう感激してしまいました。なんといっても米山先生はこれまで幅広いジャンルで300冊もご執筆されてきた方ですから…。しかも取材にうかがうようになってもう7年くらいになるのに、そんなことを言われたのは初めてだったんです。

 

 以前、最近のMR(製薬メーカーの営業)がつまらない、「人の時間をとるなら手土産を」と仰っていたので、この度の取材ではどうしようかと考えていました。手土産というのは物ではなく、何か面白い話という意味ですね。

 それでゴミ屋敷の話を披露することにしました。案の定、先生は興味津々で(笑) 次々に質問が飛んできたのでした。

 

 米山先生の話を聞いていて、好奇心って「こうしなきゃ」ではなく、少しでも「自分がこうしたい」と思えるもの、ピンとくるほうを選択し、行動を起こすことによって偶然の出会いがあり、ますますやりたいことが出てくる(好奇心が高まる)ということなのだなと思いました。

 

 記事にも書いたのですが、米山先生の知人の話が面白すぎて……ご紹介します。

 10代の女の子が「学校に行きたくない」と米山先生に言ったそうなんですね。それで先生が「じゃあニュージーランドにでも行って、羊の毛でも刈ったら?」と冗談半分に言ったのです。するとその子は英語を話せないまま本当に海外に行ってしまい…!

 現地で働いているとしばらくして英語ができるようになり、その頃、あるクルーズ船で日本人スタッフの募集があって、彼女が応募すると採用に。外国船の中の日本料理店だったそうです。彼女はその店で人気者になり、それから世界中を船で巡るようになって、やがてイタリア人の彼氏ができ、ポルトガル語もできるようになって、現在はポルトガルで最も優秀な大学に学生として通いながら、同地で日本語を教える講師の仕事をしているそうです。

 学校嫌いだった人が教師と生徒を両方やっているわけです。日本の教育自体が「苦手なものをやりましょう」というスタンスだけど、本当は好きなこと、やりたいことを深めていくほうが心身にとって断然いいし、それこそが脳が最も活性化する時と米山先生は仰っていました。きっとそれはその人の力が一番発揮される分野でもあるんだろうとも思います。

 

「やりたい……! だけど……」と、その「だけど」がくる前に、最初の一歩をみなさんが踏み出せるようにという願いをこめて、私はいつも仕事をしています。 

 

 取材後に先生の好奇心の塊である「タビランド」を見学しました(米山先生ご自宅の隣の土地に建売住宅が建つ予定だったのが、更地となった広々とした空間に魅力を感じて、ここを残したいと先生が借金をして購入し、ユーモアあふれる使い方をしている)

 

↑キャンピングトレーラーを置いている

↑ご自身が描かれた絵も飾っていて…

 

私自身も今年は新しいチャレンジをいろいろしているのですが、引き続き取り組んでいこうと思いました!