病気になったら病院へ、

病気になりたくなければ鍼灸を。

群馬県前橋市を拠点に出張専門鍼灸を開業している、

ささき ひでかず

(本名・佐々木秀和)

です。


 今回は東洋医学が意味する健康と治療観点について投稿します。


前回の復習

 西洋医学と東洋医学との大きな違いとして、西洋医学は病気を診るのに対して東洋医学は人を診ることです。西洋医学は、解剖学や生理学などの科学的見地から人体を捉えます。人体を器官や組織、血液やリンパなどに細分化し、病巣を局所的に分析します。体内に侵入した細菌やウイルス、病理部位を排除することに重きを置いて治療していきます。また、様々な検査を行い、精度が高く、客観的なデータをもとに診断していきます。治療方法は単一成分で生成された合成品、西洋薬を使います。西洋薬は効き目は鋭いですが副作用が多いのが特徴です。

 それに対し東洋医学は、人体を全身が関連するひとつの有機体として捉えます。例えば、身体に問題があるとすれば局所的な問題なのか、全身のバランスの乱れによる問題なのかを複眼的な視点で病因を突き止めます。西洋医学では病気としてみなされない不定愁訴でも自己治癒力を高めることで改善出来るという考えがあります。また、四診といって、見たり聞いたり触ったりして診断していくやり方で診察し、経験をもとに主観的に判断して治療していきます。治療方法は漢方薬や鍼・灸を使って自己治癒力を引き出していきます。


  診断・治療からみた違い

 西洋医学の診断・治療は検査データの平均値から一定の正常値という基準を定め、数値が正常範囲内なら自覚症状があっても病気とはみなされず、不調を訴えても治療が行われないことがあります。
 それに対して、東洋医学の診断・治療は「身体は日々変化するのは当たり前」という概念があり、年間を通して身体は変化していくものと考えられてます。正常値の概念が無い為、検査では表れない不定愁訴も治療対象になります。また、病巣部の直接的な治療だけでなく、病巣と関連した他の部位の治療や全身のバランス調整など複合的な治療をすることになります。

  健康体から未病、病気に至る流れ

 西洋医学観でみたものと東洋医学観でみたものとの違いをまとめてみました。やはり未病の段階で治療するのが望ましいですね。
健康体
西洋医学観…データでも病気が見つからない健康な状態。
東洋医学観…気・血・津液(身体の中にある正常な水分)がスムーズに巡り、五臓六腑のバランスも良い状態。

未病
テレビCMで知った方も多い、未病という言葉。未病とは西洋医学の検査では異常が無いが、病気の一歩手前の状態のことをいいます。西洋医学の検査では異常あるが本人に自覚症状が無い状態も当てはまります。予防医学の原点ともいえます。実は未病は鍼灸の得意分野です!

西洋医学観…体調不良や不定愁訴などの自覚症状があるものの検査データに異常無し。健康体に属する。
東洋医学観…気血の滞りなどの不調が乱れる。食養生を中心に改善を促す。漢方薬や鍼灸治療だけでなく薬膳、気功などの養生法で治療していきます。

病気
西洋医学観…データに異常値があり、病気段階に突入。
東洋医学観…定期的な漢方薬や鍼灸治療で改善を試みます。

慢性化・重症
西洋医学観…長期的な投薬治療が必要で、副作用の懸念もあります。
東洋医学観…長期的な治療が必要になります。漢方薬と鍼灸治療を併用する場合も出てきます。

まとめ

 西洋医学が日本の医学を支えていることは紛れもない事実でありますが、私は田舎の一鍼灸師として病院だけでなく皆さんの治療の選択肢として漢方薬や鍼灸治療も検討していただきたい気持ちを持っております。もちろん漢方薬や鍼灸治療などといった東洋医学ですべての疾患を治すことは難しいですし、東洋医学だけでは長生き出来るとは思ってません。しかし、この投稿を御覧いただいた方には病気になる一歩手前で漢方薬や鍼灸治療などで治療して日々健康な状態でいてほしいと願ってます!