25号車 | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言

 

 

 

 

今朝は列車に乗り遅れなかったがどこに向かおうと
していたのか、
夢の中の私は。
滑り台を逆さに上り
階段の手摺を飛び越え
エスカレーターを駆け下り
ヒーロー戦隊の行列を追い越し、
飛び乗った新幹線は何号車だったか。
切符に書いてあったのは、25号車。




緑赤黄青、赤緑青黄。
黄レンジャーが呟く、
「お腹が空いたなあ。」
もう少しだから我慢しろと青レンジャーが諭す。
新幹線のホーム上に行列、ヒーロー戦隊の。
何がもう少しなのか。
分からないまま追い越し、




乗り込んだ新幹線は6号車だった。
すぐにドアーが閉まり、走り出す新幹線。
自分の席があるのは25号車。
移動しなければ。
途上の車内を。