パラソルチョコレート | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言

 

 

 

 

ほんの少し開いた扉から巨大な月が見えた。
夜と朝の間、もう帰らなければ。
少し前まで数人で、お酒を飲んでいた。
こじんまりとしたBar、虫が数匹飛んでいた。




外に出るともう夜明け、巨大な月は消え
水彩画みたいな空に、油絵みたいな雲。
何かがおかしい、そう思いながら歩くと
木々は色鉛筆、鳥はボールペンで描いたよう。




ここは一体誰が描いた絵の中なのだろう。
そんな事を思いながらポケットを探る。
ポケットの中にはビスケットではなく、
パラソルチョコレートが1本。
水玉模様のブルー。




途端に雨ではなく、降り出したのは、飴。
飴上がりには虹、七色クレヨンの。