黄色いお花 | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言

 

 

 

 

 

先週の土曜日の午後
お気に入りのタルト屋さんへ向かう途中
制服の胸に黄色いお花を付け誇らしげに歩いている
幾人もの高校生と擦れ違った
その内の女の子二人組が
「この道を通るのも今日で最後だね。」
そんなような言葉を交わしていて卒業式だと気付く
どこか誇らしげに
正々堂々と
歩く彼らに「幸あれ」と密かに願った
幸いとは何ぞや
未だに分からず
それでも「幸あれ」と
願わずにはいられなかった