左目にクラゲ | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言

 

 

 

 

数日前から、
左目の中にクラゲがいる。




右へ左へ、ゆったり漂うのだ。
目の前の風景に、その残像が映る。
左目を閉じても、残像が揺れる。
右へ左へ、ゆったり漂っている。




左目の中に閉じ込めたいのは、
クラゲじゃないよなあ。
じゃあ、何なんだよと思う。
目の中に入れても痛くない何か?
いや、痛いだろうと。
どんなに愛していても。




左目の中のクラゲに問い掛ける。
どこから来たの?
いつまでいるの?
ここにいたいの?
私の目の中に?
何も答えずに、
クラゲはただ漂う。