学芸会じゃなくて文化祭じゃなくて何だっけ。
と思いながら学校へ向かって歩いている。
学芸会じゃなくて文化祭じゃなくて何かの日の今日、
演奏する曲の歌詞を思い出そうとするのだが
一向に思い出せず焦る。
何だったかなあ。
思い出せないまま学校が近付いてくる。
開始時間は18時、そのつもりで歩いて来た。
人影は疎らだ。
あれ、時間、間違えた?
どこをどう歩いたのか、学校ではなく
いつの間にかKちゃんの家に辿り着いていた。
何だっけ、今日。もう、終わっちゃった?
そう尋ねるとこう言う。
「来なくて正解だったよ。」
Kちゃんの旦那さんも頷いている。
旦那さんの髪の毛がふさふさなので、
ここは過去なのかもしれない。
と、なんとなく思う。
茶トラの母猫と子猫が順番にやって来て、
撫でてくれとせがむ。
待ってね、今コンタクトを…
あれ、外すんじゃなくて着けるんだったか。
Kちゃんの作る朝ご飯の匂いが漂ってくる。
もう朝が来たのか。
「今日だね、〇〇〇。」
猫の鳴き声と重なって、良く聞き取れない。
けれども今度はどうやら、間に合いそうだ。
今日は学芸会でも文化祭でもない何かの会か祭りの日。
始まるのは朝だよね、
夜じゃないんだ。