毎日フィクション | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言

 

 

 

アスファルトの上で、カマキリがおせんべいみたいになっていた。
いや、カマキリ以外にも様々なおせんべいを目にして生きてきた。
いつの日か自分もこうなるのかなあ。
なんて吞気に考えながら。
それは近々なのかもしれない。
だって異様過ぎるもの。
毎日フィクションの中にいるみたい。
だからって「おかしいだろ!」って
声を上げる力が、自分にあるだろうか。
喧嘩したいわけじゃない。
それでも、そう受け取られてしまわぬよう。
荒げぬ声で。
血が通った声で。
あるだろうか、自分に。
一筋の炎が。