「君」 明日は面接。 両手の爪のキラキラを落とし 光の中に出て行きたくない日曜日。 よし、まだ感覚はある。 君が知らない女の子と仲良くしているのにヤキモキする 夢を見て疲れた。 しかしこの恋愛に対する漠然とした憧れ、みたいな物は いつまで続くんだろう。 どうせずっと一人なら、 いらないんだけどな。 ところで君について、 私は何も知らないな。 それが誰なのかも。 死ぬ迄に一度くらい両想いを経験 してみたいなあ、なんて妄想してる だけなのかもしれないなあ。 「君」なんていないのに。