エピソードパン | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言




10年以上前に作った歌達を
生き返らせる作業を少しずつ進めている
昨夜生き返った「月のトランプ」という歌は
姪っ子の一人が
まだ小さかった頃のエピソードから
捏ねて膨らませてこんがり焼いたもの
覚えていないかもしれないね
君は小さかったから
そういえばもう一曲
あの子が生まれた時に
作った歌があったなあ
ああ、年を取った



走れなくなった
すぐ眠くなる
名前が出てこない
実年齢と精神との



バランスが悪過ぎて
転んでばっかりだ
涙脆くなった
いなくなった人や



失くした物の数が
どんどん増えていって
ただの数字になるのか
重いのか軽いのか



思いの外不明瞭
思い出せない事を
前面に押し出して
年のせいにするな



眠るな
泣くな
笑うな
走れ、
走れない心臓で
それでもまだここで



走れ