とばりの陰 | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言




おそらく自分はすごく恵まれているのだ。
好きな場所にいられ、好きな事が出来る。
仕事があり、
ギリギリでもなんとか暮らせている。
友人がいる。
一人か二人でも。



移りゆく風景には裏と表と
それ以外があって
そのすべてが美しい
なんてはずはなくて
見たくない部分
常に隠しておきたい
ベールを纏った部分
というものが存在する
それでも世界は常に
目も眩むほど美しい
ベールの陰も含めて



街を歩きながら、
そんな事を思う。
こんなに恵まれているのに、
何が不満なんだろう。