ぶ | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言




私が行っても喜ばないんだろうなあ。
とか思った途端両足に重石が乗ってるような気分に。
聴衆の中のたった一人になんて気が付かないかもしれない。
それでも重石は取れない。
その場所には行けない。





音楽の話を誰かとしたい。
例えば私のある曲の間奏部分は
トトロへのオマージュであるのだとか
ある曲のテンポはアップよりもミディアムの方が
しっくりくるのではないだろうかとか
シンコペーション最高!とか三連沁みるーとか
音楽の話を誰かとしたい。



少し前まではあの人がいた。
あの人がいたのに。
いてくれたのに。



もう戻れないとしてもこっそり見るくらいなら。
とか思ったのが間違い。
重石で軽く死ねる。



いや、死ねない。
死なない。
重石など割れてしまえ。
君に似合う音楽だね。
それだけが言いたかった。