恢塵 何処までも透き通っていて 煮物の匂いなんかしない そんな場所に 行きたかったんだろうか 馬鹿馬鹿しい くそくらえの空想 煮物の匂いじゃなければ 忌々しい黴や塵 饐えたような臭いがするに決まっている 誰もいない 誰もいない場所 そんな妄想の世界に 行きたいわけじゃなかった 指先が触れて 怖くなる 指先が触れただけで 動けなくなる なんて忌々しい くそくらえの 温もりに もっと 触れたくて