どす黒いもの | 何もない明日

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朗読人の独り言




どす黒くてもやもやしてるんだ、
見た目は普通かもしれないけれど。



だから本当はどこにもいかないでじっとしてたいけど
死ぬまで生きるためにはそんなわけにいかないので、
働いたり食べたり排泄したりする。
排泄物とは別のこのどす黒いもやもやは
どこにも出て行かず留まったまま
もう39年も息をしている。
生き続けている。
たぶん死ぬまで。


かわいい女の子が笑いかけてくれたり
話しかけてくれたりするとそれだけで胸が痛い。
そんな風に笑いかけないでもやもやしているから。
どす黒くてとってももやもやしているんだから。
と思いながら笑ったり、話したりする。
見た目は39才の人間だから今のところバレない。





新年の挨拶、あれが駄目な場合。
昨日はオープン早々他店の店長から電話が来た。
お疲れ様です、と言った後あ、新年の挨拶とかすべきだろうか。
と思ったものの確か去年おじいさんが亡くなった方だった、
と思い出しながら出てきた言葉は最初も最後も
お疲れ様です、だけだった。
たまたま知っていたからだけど知らなかったとしたら、
言っちゃっていただろうか。
とか考え込んで、新年早々遅れて来た当店の店長にも
おはようございます、としか言わなかった。





新年早々書くようなことじゃないのかもしれない。
朗読の時、口から怪物出てるみたいって言ってくれた人がいて、
なんとなく思い出して書いちゃった。
たぶんどす黒いもやもやが出ちゃってるんだと思う。
ほんのちょっとだけ、出ちゃうんだと思う。

ワンちゃんには「怖い。」って言われたっけ。

聖書を投げた時の、朗読だった。