瘡蓋 | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言




繰り返す言葉

あの日の風の音
光と影と色
離れた手と手



ホチキスでいいから
留めておいてよ
離れないように
飛ばされないように
痛みで思い出して
いつか傷が癒えて
瘡蓋になっても
忘れないで



一人一人の「届け。」
想いの一つ一つ
流れた血と涙
その跡を



繰り返す言葉

繰り返し



また

振り返る