おしまいまで | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言




どうしたらこちらを見てもらえるのか
どうしたらこの手を取ってくれるのか
この声が届くのはどこまでだろう
誰なんだろう
聴いてくれるのは



おしまいまであるく
おしまいまでたべる
おしまいまであがく
おしまいまでたどる



歪な躯で
ただ悪夢の中
曝せない心で
手を伸ばしても



空気すら掴めやしないのに
信じろったって無理だ
占いも予報も



未来じゃないよ
自分がいるのはここ
未来にはいない
今ここにいなければ



てあたりまえのことすら
信じられなくなる
手を伸ばしたついでに
掴んだ本を開く



声に出してみる
ここにいますと
未来にはいません
私がいるのはここ