真綿なもんか | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言

何もない明日



私の上に降る雪は
真綿のようなもんではなかった。



それは重たく
恐ろしく
しゃばしゃばしていて
当然のようにひいやり冷たく
覆い被さる様に降り積もって
いつのまにか私は
そこにいなかった



苦しくはなかった
透明だったので
哀しくもなかった
ただ淋しかった



しゃばしゃばしていた
ひいやりしていた
いつのまにか私は
消えていた





大晦日の午後、
何年ぶりかに母校まで歩いてみたのだ。
曇り空から
雪がどんどん降ってきて
っていうか落ちてきてぶつかる。
肩に頬に睫に唇に私に。
寒い
っていうか淋しくなっちゃって、
ぶらぶらと帰った。
一時間かけて。
(山形は広いのだ)



夜は家族揃って食卓を囲み
酒を飲みながら紅白を見たりした。
幸子は淋しいかな、憲一がいないから。
と誰かが言うので
また少し淋しくなった。



23:40~59は本気で一人朗読ライヴ。
(勝手に書斎と名付けた自室で)
我ながらナイス朗読!
誰も聴いてなかったけど。




あけましておめでとうございます。
今年もよろしくおねがいします。
色んな場所の、
あなたたち。