もう二度と描けないと彼は言った | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言

何もない明日 何もない明日



歩道橋、
上った途端に前後不覚。


行く先を見失うなんて慣れてるはずなのに、
結構身に応える。
応えてる自分にまた応える。



でも大丈夫なんだ。
御舟の炎舞と灰燼観たから。
舞い盛る炎とその後の世界。
絹と紙の上で待つ緋と闇と灰。


話しかけられたような気がして、
しばらく動けなかった。
久しぶりに観た炎舞に。
気のせいだろうけれど。



引っ越した後の山種美術館はやけに近代的で
少し淋しいような、
そんな気にもなった。



開館一周年記念特別展
『日本画と洋画のはざまで』
10/5(火)
山種美術館にて





速水御舟 1894-1935(明治27-昭和10) 日本画家

『灰燼』 1923(大正12)年 紙本・彩色
『炎舞』[重要文化財] 1925(大正14)年 絹本・彩色