どんなに確かめたくて
何度手を伸ばしても
触れられるのは上っ面だけだから
届くことのないあなたの深淵
その場所にずっと蹲って
遊んでいたい
ジグソーじゃなくて
クロスワードパズルなんかしながら
いつまでも
きっとそこには、底なんてないんだろう。
あなたが空腹でなければいいと思う。
いつも
お腹いっぱい食べられて
傍には家族や友人、恋人がいて
いつでも笑っている
いつでも笑っている
例えばその笑顔を
見ることが出来なかったとしても
それでいいと思う
あなたが空腹でなければいいと思う。
時々
言語中枢が邪魔になる瞬間がある
わかりたくない
ワカリタクナイ
この感覚を
誰かに伝えたい
のに伝えられない、瞬間
思い出せればいい
もっと奥へ
奥の奥の奥へ
あなたの深淵に蹲っていたい
あなたの過去がほしいと思うのは
おかしいだろうか
そしてまたあなたに
手を伸ばす
いつか
思い出せればいい