これで最後 | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言

何もない明日


これで最後だ。
と思いながら朗読する


これで最後だ。
と思いながら誰かに会う



どちらも相当な覚悟が必要で
大袈裟みたいだけど、
ここぞって時の
魔法のような、
私のただの思い込み。



これで最後だって思うのは、
実際に次がないからだ。
28日の後は決まっていない。
何もない6月。
何もない7月。
何もないならば企てればいいし、
読む気になれば何処でだって読める。
でも、今は何も考えられないな。
28日以外。
先のことは何も。



一昨日は
これで最後だって思いながら
ある人を遠くから眺めに行った。
その人は私の目印みたいなもんなので
どんなに遠くからでも、
眺めるだけでいいのだ。
これで最後だって思いながら勇気をもらう。
さようならを言わなければ別れなくて済む。



誰かを好きでいることは本当に疲れる。
最後だって思っても、そんなのなかなか来ない。


私は最後まで朗読できるかな。
死ぬまで朗読し続けることが。