ふりだしに戻るの | 何もない明日

何もない明日

朗読人の独り言

何もない明日


どうでもいい話だが髪を伸ばしている。
今更中身はどうにもならないだろう、
とりあえず見た目だ。
そんな思いから。



大抵この試みは挫折する。
分かっているんだ。
嫌んなるくらい繰り返してきたから。
もう一体何度目だ?


自分でも意外なことで傷ついている。
まさかそんな。
そんなわけないだろう。
そう思いながらも、ざっくり傷ついている。
案外弱い。
本当に弱い。
誰かに似ているということが、
どうしてこんなにつらいんだろう。


本当にこんな話はどうでもいい。
髪なんか伸ばしたってどうにもならない。
嫌んなるくらい繰り返してきたから、
分かってるのに。
どうしてなんだろう。



この両の眼を取り出して
ずっとあの場所に置いておきたい
大切な時間だけ映ればいい
本当に見たい物はそれだけなのに


本当に見たい物はそれだけなんだ
いつまでもいつまでもあの時間に
この両眼を取り出して置いておきたい
いくら舐めても傷口は
もう、
治らないよ。


戻れないよ。



見た目を変えたってどうにもならない。
中身だって変えられない。
さあ、ふりだしだ。


あ、
しまった



戻れないよ?