迷信なんでしょうか?それとも…。
6月6日の日本経済新聞朝刊からご紹介します。

 

 

「ひのえうま」迷信の罪深く
現代史メモランダム第5回1966年 啓発も奏功せず

 

 

ここから

 

懸念が現実化したのは1966年夏である。

「今年はずいぶん、赤ちゃんが少ない」。そんな驚きを伝える報道が目立ちはじめていた。年初来の出生数の落ち込みが、くっきり浮かび上がりつつあった。

原因は「丙午(ひのえうま)」の迷信だと、ほぼ断定できた。60年に1度、この年に生まれる女性の気質をあげつらう根拠なき言い伝えが、かねて流布していたのだ。

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66年の日本の出生数はその後も回復することなく、結局、前年より46万人ほど少ない約136万人となった。じつに25.4%の減少だ。合計特殊出生率も2.14から1.58へと急落した。

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戦前の慣習が残っていた昭和40年代とは違い、さすがに次の「ひのえうま」に人々が動じることはない――。そう考えたいが心配もある。

「日本人が気にするのは共同体への『迷惑』です。たとえば、友引に葬式を出す人は少ない。世間から奇異の目で見られたくないのです」。こう語るのは同志社大教授の太田肇(67)だ。「だから『ひのえうま』現象の再来もありうる。新型コロナウイルス禍を経て、日本に『ヨコの同調圧力』が強まっているのが気になります」
66年の「ひのえうま」の翌年は出生数が一気に約57万人も増える回復ぶりを見せた。しかし、こんどこの現象が起きた場合はどうなるのか。

国立社会保障・人口問題研究所副所長の林玲子(56)は「晩婚化、晩産化が進むなかでは、次の年にすぐ回復するかどうか微妙だ」と指摘する。「1年ずらすことで出産のタイミングを失う可能性もあります」

2021年の出生数は過去最少の約81万人。そんな時代に、この迷信の罪はいよいよ深い。

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ここまで

 

かつては「丙午生まれの女性は気性が激しく、夫を不幸にする」などと、よく聞いたものです。

いまは、あまり聞かないでしょう。

 

たしかに、1966年(昭和41年)生まれの学年のクラス数は少なかったです。
単なる迷信だと思いますが、人口を見るとその年の出産を避けているんだろうということが分かります。


紀子さんが丙午生まれで、当時の礼宮さんとお付き合いしている云々の報道が出てから、丙午を悪く言うことがなくなったと遠い昔に聞いたことがあります。

そういう迷信が聞かれなくなったのは、紀子さんのおかげかもしれません。
まったくの余談ですが、紀子さんの長女・眞子さんのお相手男性のお母さんも丙午生まれだそうです。



1966年の次の「丙午」は、2026年(令和8年)にやってきます。


記事にある通り、前回の丙午の年には合計特殊出生率が2.14から1.58へと急落しました。

出生数が4分の3に減ったのですから、これは物凄いですよ。
 

ここ数年の合計特殊出生率は1.37とか1.38のようです。
いまの若い人が迷信を信じるならば、4年後の合計特殊出生率はかなり低い値になりそうです。


1~2ヵ月ぐらい前でしたかね…

テスラのイーロンマスク氏がツイッターで「出生率が死亡率を上回るような変化がない限り、日本はいずれ消滅するだろう」とつぶやきました。
そんなすぐに消滅することはあり得ませんが、何年もの月日をかけてその道を歩みかねません。

 

 

政府は育児休業制度の改善や、育児休業給付の額を増やしてきました。

各地方自治体では、待機児童の問題にも取り組んでいます。

しかし、合計特殊出生率の推移を見る限り、効果が出ているようには思えません。

人口が増えない国では、経済の成長が期待できません…。


ただでさえ出生率が低い中で、60年に一度の迷信の年がまもなく訪れるのは罪深いと感じざるを得ません…。