ユニクロの人事戦略が変わるみたいです。4月12日の日経から抜粋します。


人手不足、ユニクロ変心 販売員1万6000人を正社員に登用  「部下は部品ではない」

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柳井正会長兼社長は、パート・アルバイト16000人を正社員に登用する方針について記者会見した。人材の枯渇に危機感を募らせていることを強調、これまでの経営路線の誤りを口にした。

「ユニクロは(労働環境が劣悪な)ブラック企業」とネットなどで批判を浴びた時も、急速なグローバル化に対応できない人が増えている結果、と受け流していた。

ファストリの新卒社員の3年以内の離職率は約30%。ピーク時に50%程度に達していた水準と比べると低下しているが、業界水準と比べるとなお高いという。

ところが、11日の会見での物言いは一変した。「グローバル化だけではない。日常生活で成長する人生を認める」「成熟社会になると、精神的な安定を求める人が出てくる」などと話し、国内志向を積極的に評価する姿勢に変わった。「国内事業のすべてを180度変える」。これまでの経営の考え方を修正する反省会となった。

理由は圧倒的な人手不足だ。「少子高齢化により人材が枯渇する。時給千円で人が集まる時代は終わりを告げた」と大量で安価な労働力を前提としたチェーン経営の限界を示唆した。

パート・アルバイトではなく、忠誠心の高い社員による自発的な「個店経営」に変え、生産性のアップが急務となったわけだ。「部下は部品ではない」「部下の人生を預かる」――。これまでの失敗を自分に言い聞かせる発言が相次いだ。

ただ、パートやアルバイト従業員を正社員にすれば、福利厚生費などの人件費負担は1人当たり2~3割増える見通し。短期的には、成長に影を落とす覚悟が必要な戦略転換といえる。
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書物やネット上では、ユニクロの厳しい人事施策が書かれているのを目にすることが多かったように思います。
これまでは店長をビシバシ鍛えていました。
成長している企業だからこそ、そういう施策がとれるのかなと思っていました。

しかし、人集めに苦労していることから、人の育て方等について大きく方向転換する模様です。
16,000人もの人を正社員にするということは、人件費やそれにともなう法定福利費(社会保険料や労働保険料等)もかなりの負担増となるでしょう。
加えて、契約社員から期間の定めがない雇用となり、原則として定年まで、もっと言えば65歳までの雇用をしなければならないわけですから思い切った方向転換だと思います。


経営者ならずとも自分の失敗を認められない人が多い中で、しっかりとそれを認めて方向転換ができるところは立派だと思います。