遺体ー震災、津波の果てに | こぶたのしっぽ

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遺体―震災、津波の果てに/石井 光太
¥1,575
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この本は、2年前から読まなければ読まなければと思い

時間だけが過ぎていき、やっと読むことができました。

本のタイトルが示すように、震災で発見された遺体の

遺体安置所からの凄まじいルポタージュです。

読む前から、ある程度の覚悟をもっていたつもりでしたが、

所詮、自分の狭い頭の中での想像は創造でしかない

ということを、本を読み始めてすぐに思い知ることになります。

実際に被災した当時まっただなかの状況、

次々と発見され運ばれてくる津波の犠牲になった遺体。

その状態なども克明にこの本には書かれています。

それだけではなく、遺体安置所となった場所で震災当時関わった人たちの

状況、心情、思い、葛藤、それぞれの立場からレポートされています。

この本を読むと、震災当時から約2か月の間、被災地では

どういう状況になり、どういう風に当時そこに住んでいる人たちが、

どういう思いを持って、「あの時」を乗り越えてきたのかが、

もちろん自分はこの本のルポの現場である釜石に住んではいないので

100%分かるわけではありませんが、

それでもその何分の一かは窺い知るというか、感じることは

できると思います。

読んでいる最中何度も泣きました。

泣くつもりはなくても自然と溢れてしまいました。

この本は大切にしようと思います。