- 瑠璃の雫 (角川文庫)/伊岡 瞬
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「瑠璃の雫」を読みました。
母と弟と3人で暮らす小学6年生の美緒。
母はアルコール依存症、親類に引き取られた美緒は心を閉ざしていく。
ある日美緒は、元検事の永瀬丈太郎という初老の男と出会う。
美緒は永瀬の人柄に心を開いていく。
しかし彼は、一人娘を誘拐されるという、心に大きな傷を抱えて生きていた。
数年後、美緒は事件を調べ始め、あまりに哀しい真実を知ることになる。
凄く切ない話であり、人の赦しとはなんなのか、
はたまた、赦す事によって見えてくるものはあるのか?
娘を誘拐されるという極限の経験を通し、尚、人ははたして
その事実とどう向き合い生きてゆくのか、
すごく考えさせられながら読んでいきました。
赦す事によってのみにしか前に進む事ができないのか、
他の選択肢というのはどうなのか、
今は複雑というか、読み終えてもそこは答えは明確ではないけれど
いろいろ考えるキッカケにはなった作品です。