- 慟哭 (創元推理文庫)/貫井 徳郎
- ¥780
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連続する幼女誘拐事件の捜査は行き詰まり、捜査一課長は世論と警察内部の批判を受けて苦悩する。
異例の昇進をした若手キャリア課長をめぐり、警察内に不協和音が漂い、マスコミは彼の私生活に関心を寄せる。
そんな中、事態は新たなる方向へ!
物凄い衝撃を受けました。
幼女殺人、怪しげな宗教、現代の家族を題材にし、人間の奥にある痛切な叫びを描いている作品です。
このような展開、構成を見せる作品を読んだのは私は始めてだったので、最後の最後、
二つの平行して並んで描かれていたエピソードが、1つに繋がる時の、逆転ともちょっと違うけれど、ひっくり返される感覚は今までの小説では感じた事のない衝撃でした。
やられた!!というよりも、なんて悲しいんだ・・。
現代の人間社会で生きていくこと、それよりなにより、特別なことに巻き込まれず、ストレスで精神や体をおかしくする事無く、生きて行くことの難しさ、厳しさ、悲しさを見事に切り取って描いている作品だと思います。
ズシリと重い作品ですが、興味がある方は是非!