- 殺気!/雫井脩介
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大学生のましろは、12歳の時、何者かに拉致、監禁された経験があった。
無事に保護されたが、犯人は不明のままだ。
ましろは当時の記憶はない。
理由は、ひどいPTSDを抱えたため、催眠療法を受け、その出来事を頭に封じ込めたからだった。
そのためか、ましろには特殊な能力があった。
周囲の「殺気」を敏感に感じ取ってしまうのだ。
ましろの能力に興味を持ったタウン誌記者の次美は、彼女の過去を調べ始める。
そして、拉致、監禁の真相が明らかになる時、新たな恐るべき事件が・・・。
すごいタイトルです。
「殺気!」
殺気を感じる能力をもつましろを中心に、展開するミステリーなのですが、同時に青春ストーリーでもあるところが、この作品の面白い所でもあるんですよね。
ましろの事件と、当時の事件現場で一緒に遊んでいた同級生が、成人式をキッカケに集まり、事件解決に絡みつつ、再開した同級生達との「昔」と「今」の違い、変化、幼なじみ、友情、も同時に描かれていて、ミステリーの謎を解きつつ、泣けてしまう。
ラストは感動、みたいな。
なかなか経験した事ない読後感を味あわせてくれる作品でした。
非常に面白かったです。