ララピポ | こぶたのしっぽ

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ララピポ (幻冬舎文庫)/奥田 英朗
¥630
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みんな幸せなのだろうか?


考えるだけ無駄か。


泣いても笑っても、どの道人生は続いていくのだ。


明日も、あさっても。


対人恐怖症のフリーライター、NOと言えないカラオケボックス店員、AV、風俗専門のスカウトマン、


デブ専裏DVD女優のテープリライター、等々、6人のどうにもならない日常を描いた、群像劇?


これは強烈でした。


ホントに。


一気に読みました。


この小説に登場する人物達は、みんなどこかどうしようもなく、それは誰でも持っている部分にも思え、


その人間のどうしようもなさ、というか側面?をストレートに、重くなく描いているところが素晴らしく、そして面白いエンターテイメントになっていると思いました。


みんながみんなそうではないかもしれないけど、人間、綺麗な部分だけではないと思うわけで、


そういう意味では、共感というか、あるよなぁ、と思いながら読んでいました。


一番印象に残った部分は、


世の中には成功体験のない人間がいる。


何かを達成したこともなければ、人から羨まれたこともない。


才能はなく、容姿にも恵まれず、自慢できる事はなにもない。


それでも人生は続く。


この不公平に、みんなはどうやって耐えているのだろう。


というところ。


そう、そうなんだよなぁ、


わたしもこういう思い抱えているとぶっちゃけますが、だからこの一文には


胸がグッと締められる思いでした。


それでも人生は続く。


生きてるうちは、死ぬまでは。


当たり前だけど。


世の中不公平に出来ている、それはもうわかっている


だからこそ思う。


この不公平にどうやって耐えてるんだろう。


聞きたい。


この本を読んで笑いつつ、ホントには笑えない、いつ自分もこの作品の登場人物のようになるか、


いつでもなる可能性はあると思う。


最後に、この作品のタイトル「ララピポ」。


どういう意味なのかなあ?って思っていたけど、


本を読めば、中に答えは出てきます。


なるほどねぇ~、そしてこの作品のタイトルにまさにハマってると思いました。


脱帽。