- ララピポ (幻冬舎文庫)/奥田 英朗
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みんな幸せなのだろうか?
考えるだけ無駄か。
泣いても笑っても、どの道人生は続いていくのだ。
明日も、あさっても。
対人恐怖症のフリーライター、NOと言えないカラオケボックス店員、AV、風俗専門のスカウトマン、
デブ専裏DVD女優のテープリライター、等々、6人のどうにもならない日常を描いた、群像劇?
これは強烈でした。
ホントに。
一気に読みました。
この小説に登場する人物達は、みんなどこかどうしようもなく、それは誰でも持っている部分にも思え、
その人間のどうしようもなさ、というか側面?をストレートに、重くなく描いているところが素晴らしく、そして面白いエンターテイメントになっていると思いました。
みんながみんなそうではないかもしれないけど、人間、綺麗な部分だけではないと思うわけで、
そういう意味では、共感というか、あるよなぁ、と思いながら読んでいました。
一番印象に残った部分は、
世の中には成功体験のない人間がいる。
何かを達成したこともなければ、人から羨まれたこともない。
才能はなく、容姿にも恵まれず、自慢できる事はなにもない。
それでも人生は続く。
この不公平に、みんなはどうやって耐えているのだろう。
というところ。
そう、そうなんだよなぁ、
わたしもこういう思い抱えているとぶっちゃけますが、だからこの一文には
胸がグッと締められる思いでした。
それでも人生は続く。
生きてるうちは、死ぬまでは。
当たり前だけど。
世の中不公平に出来ている、それはもうわかっている
だからこそ思う。
この不公平にどうやって耐えてるんだろう。
聞きたい。
この本を読んで笑いつつ、ホントには笑えない、いつ自分もこの作品の登場人物のようになるか、
いつでもなる可能性はあると思う。
最後に、この作品のタイトル「ララピポ」。
どういう意味なのかなあ?って思っていたけど、
本を読めば、中に答えは出てきます。
なるほどねぇ~、そしてこの作品のタイトルにまさにハマってると思いました。
脱帽。