こんにちは。
今回は、ワンフェス2026冬にて蟹蟲修造さんより販売となる「ガメラ3」の展示見本を塗らせて頂きましたので、その塗装工程をブログにて記載致します。
なかなかブログ書く時間が取れず普段はあまり工程をガッツリ載せることはないのですが、今回のガメラはそれぞれのパートでこだわった部分の集合体ですので是非見て頂ければなと!
今までにもガメラ3を塗ったことは何度もありますが、塗る度に出来る技術が更新されてきたのも事実。
今回は、蟹蟲さんという尊敬する造型師さんの作品を塗らせて頂くということもあり、自分の今までの集大成のガメラ3にするぞ…!と思って塗装しました。
それでは、製作記録を工程ごとにご紹介していきます。
①甲羅
まずは甲羅から。
今回は蟹蟲さんより、「古代の生物兵器という設定もあるため、青銅器のような雰囲気があると嬉しいです。」という指定を頂きました。
まず第一段階。
シルバー系のベース色に、クリアブルーとクリアグリーン、クリアイエローを重ねて青銅器のような青みと緑色みを出していきました。
↑参考の青銅剣画像
青銅剣などを参考に、先端側は色が薄くシルバーに変化するように塗装することで、剣が重なって甲羅になっているような印象にしています。
しかし、これだと綺麗すぎてフィギュア感がまだ強いなあと。
という訳で、第二段階として砂汚れを入れてみます。
あくまで造型のシーンは瓦礫の舞う京都駅。ガメラも地面を転がってボロボロになるので。
ガメラ3の甲羅に貼り付いた砂状のテクスチャなども造型で入っていますので、砂系の色でドライブラシをし、その箇所を茶系のエナメル塗料でウォッシングをしました。
良いボロボロ具合になりましたが、少し青銅器感が薄れたか…。
綺麗な剣と、砂汚れの塩梅を探していかなければいけません。
第三段階。
シャドーを強め、砂汚れを少し落ち着かせました。
これで青銅器さや重厚感もありつつリアリティのある質感になったかなと。
この後に傷口などの塗装が入るとまた印象が変わることを考え、一旦甲羅はこの状態にして他の箇所を塗装することに。
②腹甲羅
さて、お次はガメラの肝とも言える腹甲の塗装です。
個人的に、怪獣の塗装を始めて最初に壁にぶつかったのがこのガメラの腹甲でした。
ぼやけた自然な斑点の重なりや、茶色にもアイボリーに見える色味をどう表現するか分からず…。
正直、今のやり方も正解とは思っておらず、関係者の方の証言や自分なりの落とし込みの結果の独学に近い塗り方かなと思います。
複数の色でとにかくグチャグチャに線を描き、上からベース色と同じアイボリーを塗装。
こうすることで、中の色味が透けて奥行きのある質感になります。
皮膚はいつも通りネイビーブルー系の混食を使用しています。
そして、過去の飛び飛行ガメラの画像などを参考にクリアブラウン・クリアオレンジなどを使ってもう一度塗り重ねていきます。
今回は一通り塗った後にホワイトの斑点を塗りました。
実際のスーツにはなかったと思いますが、これが入ることで斑点の明度が一段階上がり、写真で見た時のコントラストある脳内の印象に近付くかなと。
↑参考の飛びガメラ。
1のプロップですが、個人的にはこの腹甲が1番自分の脳内のガメラの印象に近かったりします。
③左腕
さて、ここまでで胴体はある程度出来たので、ここからは手足を塗っていきます。
まずはイリスの体内から臓物を引き摺り出した左腕を。
一通り塗り分け、臓物はピンクベースに、クリアオレンジ・クリアピンク・クリアブラウン、隠し味のクリアパープルをランダムに吹き付けていきます。
良い塩梅になってきました。
ここから、市販のブラッドレッド=要は血の色のクリアレッドを思いのままに塗りたくっていきます。
正直僕はあんまり普通のクリアレッドとの違いがあまり分からないのですが、少し茶色みというか濁った感じがあるので違うんだと思います。
本当にお腹をえぐったかのような気持ち悪さになってくれたんじゃなかろうか。
他の手足もそれぞれ基本色に塗っていきます。
④頭
これで右腕以外はほぼ出来ました。
炎の照り返しは全てができてから最後にやらないと統一感が出ないので、先に頭を仕上げてしまいます。
と言う訳で、口やら目やらを塗りました。
目玉は眼前のイリスを睨みつけるかのように鋭い目つきに。
ガメラ3に入っていた義眼をイメージした、黄色の筋ラインも肉眼では全く見えないですが再現して塗っています。
お目目が小さい…!
せっかくの蟹蟲さんの生物的なディテールと、よく見える部分なので口内は生々しく。
スーツ再現ということも大事なのですが、この造形作品をどうしたら引き立たせられるか、を主題に考えつつな塗りにしています。
同じ色を見ても人によって感じる色味は違ったりしますし、ここは塗る人それぞれのバランスかなとも…!
⑤右腕
これでほぼ全身が塗りあがり、後は燃える右腕を塗るのみとなりました。
途中からクリアパーツになるのでどうなるか考えつつ、、。
こんな感じに塗ってみました!
前々からバニシングフィストでやってみたかった右腕の内部から燃えるような表現です。
グラデーションをかけるだけでなく、イリスの熱エネルギーを吸収→一度体内で充填したのちにバニシングフィストとして出力する、というイメージです。
皮膚の隙間から炎が漏れるような印象にしてみました。
ついでにお腹の数も同じように体内の赤い光が漏れるイメージで塗っています。
蟹蟲さんによるゆらめく炎の造形。
なんという美しさでしょう。
ここだけ見ると煉獄杏寿郎のフィギュアのようで、少しアニメチックとも見える表現が、この作品の迫力を際立たせます。
僕は基本的に強力な敵キャラが好きなため、当たり前のように童磨と兄上パートが大好きです。
無限城編の続きを楽しみにしています。
この右腕を塗る上で、よく言われることではありますが、クリアパーツにクリア塗料を塗るだけだと色が沈んでしまいます。
そのために、クリアイエローとクリアレッドでグラデーションをつけたのちに、先端の1番明るいところには原色のイエローを吹き付けて、コントラストをMAXにしているのがポイントです。
かといって吹き過ぎてせっかくのクリアを潰しても意味がないので、塩梅を見極めつつ。
分割的には途中からスパッとクリア素材になりますが、根元でボディ色や発光塗装をすることで境目を分かりづらくさせます。
ここら辺はデスゴジを塗る時のやり方が活きているかなあと…!
⑥血の塗装
ここまで来て墨入れなども終わってるので、ガメラの血を塗ります。
エメラルドグリーンを塗った後、より光沢感や発色が欲しいので蛍光グリーンをその上から筆塗りしています。
今回腹甲の塗装を頑張ってるので、あんまり血だらけにしてそれが見えなくなっても勿体無いなと、少し血は控えめに塗っています。
ええ感じや〜。
⑦最終調整
これでほぼ全ての工程が完了。
しかし、個人的に1番大事なのがこの後の工程。
それは「日の光」のもとで見ることです。
やっぱりナチュラルに満遍なく光が入って見えるのは朝や昼間。
僕は特に夜中に作業しがちな人間なので、日頃コントラストの強いところで作業している訳です。
そのため、隙間だったり細かいとこの塗り漏れ、本来のニュアンスとの違い等はこの日の光で見る工程で無くしていきます。
と言いつつ昼間は仕事、土日もライブなどがあり全然模型できないこともあります。
その時は平日の朝に起きて、少し作業をするようにしています。
全体を見て、もう少し爆熱感が欲しかったので、腕の周りの炎の照り返し範囲を広げたり。
血もちょっと少なく感じたので増やしたり。
腕も悪くないんだけどもう一段階レイヤーが欲しいなと思い、薄ーく粒子粗めのラメに近いゴールドを吹くことで煌びやかな雰囲気を追加しました。
こうして、蟹蟲さんのガメラ3は完成となりました。
個人的にはこれまでのお仕事で担当したガメラフィギュア、自分でやってきた塗装の色々な要素を詰め込んだ集体制の1つだと考えています。
リアリティな要素である腹甲や目・口と、どこかイラストチックな炎や甲羅の塗り。
そのバランスをうまいこと良いとこ取りをすることにこだわりました。
この人はアレンジ系の塗りも、スーツ再現もうまいよね、という人間になりたい…!
それでは、完成写真をご覧ください。
ポーズが躍動的なため、撮影もとても楽しかったです!
以上。
こちらは、ワンフェス2026冬、生物部(蟹蟲修造)さんブースにて展示となります。
是非会場にてご覧頂ければと思います!
また、展示見本として使用後は僕のところへと帰って来ますので、その後の個人で出る展示会などにも持って行けるかな〜と思います。
色々なところにこだわりましたので、是非どこかでお見せしながらお話しできると嬉しいですね!
さらに、今回のワンフェス2026冬でも発表済みの餅雪さんのゼットン・ベムラーや、まだ公表されてない方々の展示見本を塗装しています。
恐らく5名の原型師さん、計8体ほどが展示される見込みかなと…!
納品済みのものだったり、絶賛塗装中のものもあるので、引き続き頑張ります💪






















































