戦国時代。


最前列で、戦っているが、自分の陣は負け気味。


逃げても、逃げても、矢が近くまで飛んでくる。


それをどうにかかわしながら、じりじりと後ずさりする。


後ろにあった浅瀬の川を越えた辺りで、ようやく敵の攻撃が止んだ。


見方はこの時を利用し、陣を立て直した。


しかし、おいらを含む下っ端の雑兵達は、怖くて逃げ出す。


背後に聳える山を素手で急いで登り、頂上へ着いても、周りは足を休むことも無く、反対側へ山を駆け下りる。


おいらも、みんなに続いて山を駆け下りる。


反対側には、拓けた町があったが、立ち止まらずに、ただ夢中で走り去った。


一度も振り返ることもなく。