真っ暗なトンネルにいた。

天井が少し光る。
気になり、見上げると沢山のコウモリがいて、その目が光っていた。

怖かったが、コウモリはこちらを窺うだけであった。

恐れながらも、歩いた。

トンネルの中は、ジメジメしてて暑い。

だいぶ奥へ入った所、何故かナマケモノが壁にへばり付き、片手でこちらに手を振ってきた。

こちらも手を振った。
トンネルの奥に来たが、観音開きのドアが付いていた。

ドアを開けようとしたが、頑丈でビクとも動かず、諦めて来た道を戻った。

又、ナマケモノと会った。
又、手を振ってくれた。

歩き続けると、白い埃がこっちに転がってきた。

慌てて身を屈めた。
腹に力が入った。

幸いに、白い埃はこちらを避けて、奥へ転がって行った。

天井のコウモリは、相変わらず目が光り、じっとしている。

ようやく、トンネルを出た。

外は夜。

だが、街灯のお陰で、外は輝いて見えた。