普段使っている国産車で、ドライブしていた。

だが、高速にのった途端にとてつもないスピードが出て、何台もの車を追い越す。

飛ばしている心の内では、爽快さと怖さが入り交じっている。

何故そんなに急ぐ。

何かに追われてるのか?

自分に問うても、答えは浮かばない。

別に逃げている訳じゃない。

ただ、急ぎたいのだ。

そろそろ、高速の出口が見えてきた。

出口に入り、螺旋状の道を走りながら、慎重にスピードを落とした。

後方から、減速に失敗して、トラックが道から飛び出してきた。

上をチラッと見ると、トラックは頭上高く飛び、遥か彼方にある空き地に落ちた。

空き地には、スピードの出し過ぎで道から飛び出し、ボロボロになった車が何台もあった。

その脇を走り、一般道に出た。

渋滞に巻き込まれてしまった。

田舎道で、狭く、反対側からも車が来るので、追い越すことが出来ず、イライラしてきた。

すると、「そんなに慌て無くても良いや。」という気持ちが湧いてきた。

それは、諦めの気持ちでは無かった。

「さっきまで、急ぎに急いでいたから、そろそろノンビリと行こうよ。」との気持から出たものであった。

渋滞と言っても、少しずつ流れていた。

流れに沿って、車を走らす。

やがて、イライラは消え、穏やかな心境になった。