男は、都会にそびえ立つホテルビルの前にいた。

色々な仕事を請け負う男は、ある依頼人ナゾの人に頼まれていた。

ホテルに宿泊している男性を、狙撃するようにと。

男性の命を奪うまでしなくても良いとも。

この摩訶不思議な依頼を、男は受けた。

莫大な前金お金に、目が眩んだのである。

早速、ホテルの中へ入って、男性の泊まる部屋に潜り込みドア、寝ていた所を撃った。

しかし、撃たれた男性は、男を追っかけて来た。

手負いの熊クマみたく、何処までも追って来た。

男は、ひたすら逃げた。

階段を、急いで降りた。

後ろに、男性の走る音が聞こえてくる。

焦る男は、延々と階段を降りた。

やっとのことで地上階に着くと、一直線に非常口から外へ出た。

後ろを振り返ったが、男性が来る気配は無かった。

逃げ切った、と男は思い、ホッとして煙草に火を付けた タバコ