都会の真ん中に、こじんまりとした教会があった。

教会の中に入ると、外の喧騒が遮断されて静かな雰囲気がした。

この教会は、カソリックでいたるところに、聖人の像が祭られていた。

ゴシック形式の建物で、隅々まで装飾がほどこされ、正門の脇に小さい魔物が座っている像が見えた。

照明は暗く、ロウソクの明かりが教会を照らし、それが威厳さを漂わせていた。

礼拝堂には、平日の為か数人しかいなかった。

その中で、一際目についた金髪の男性がいた。

高い背を丸め、ロザリオを手に、静かに祈りを捧げていた。

後ろから見ても、悲しみに満ちていることが分かる。

男性は、祈りを終えると、静かに席を立った。

外からの光が差し、男性の金髪が輝いて見えた。

出口へ向かう後ろ姿を見たら、先程の悲しみは消えていた。