以前母の恋について書いたのですが
実は母の恋には
セカンドがあるのでした。



前にも書きましたが



母は御年、
エリザベス女王と同級生です。


母は
まだ
生きてます。



どっこも悪いとこないって言ってます。




それは大体
10年くらい前のこと



その時は
民間の老人施設に入所していました。



そこは
住居施設と
デイ施設が繋がってるようなところで



母は毎日
シルバーカーを押しながら
デイと住まいを
いったり来たりしていました、



最初は

感想を聞くと



幼稚な歌、歌ったり
手遊びしたり
おやつは
小指の先っぽくらいの
ちっぽけなおまんじゅうで


幼稚園児じゃないんだよ
あたしら



と、
相変わらずの
気持ちいいほどの
毒づきっぷり



施設の方
申し訳ありません。




まあまあと、
好きなおやつ小まめに
差し入れしたり
ドライブに連れ出したりして
なだめること
半年。




やがて、
どういうわけか


買い物に誘っても


百均大好きだったので
わたしも
いくら買っても
安心して
お会計できるので
行く?と聞いても


いい。

お前も大変だから
そんなに来なくても
いいよ。


と。




なにっ
どしたっ
急に菩薩様宿った?




ダメ出しに
大好きなお洋服
量販店ですが



誘ってみましたが
これも
やんわり拒否
なんなら
しっしっと
お下がりみたいな
仕草まで



しばらく来なくてよいとまで
言われました。





それが何回か
続いたため
さすがに心配になり




ケアマネさんに
聞いたところ



異性のお友達ができた様子



そうだったのかあ





その頃の母には
ルーティンが出来てたらしく



食事は
みなさんとリビングのテーブルで食事するらしいのですが



母は
そのお友達といつも
隣同士で着席して
仲良くお話しながら
食事を楽しんでいるとのこと




そのあとは
皆さんはデイに行くのに
母とその方は


住居部分に
小さいお庭があるのですが
そこに二人で出て
バラとか鉢植えなどの
植物のお世話をするのだとか



なんなら

居室にも
お互い行き来する仲とか




母はシルバーカーですが
その方は
自立されていて
身の回りのことはもちろん
普通に
歩行されて
母のサポートまでしてくれていたらしいです。




学歴もあるらしく、

あの方
英語もしゃべれるのよ
商社にお勤めだったらしいのよと母。




いつから
そんなお上品な山の手の
奥様風になった?




あちらの方

と、
母が言った方をみて



あ、ー
とわたしも
納得



最近
何故か


わたしが車でいくと
なんか知らないおじいさんが出てきて
いつも車庫入れ
誘導してくれてたんですよね



終わると
軽く会釈して
どこかに消えてしまって、




あの人なんだろ
と、
わたしも思ってたんですよ



ご迷惑でなければいいなと。
押しの強い母のこと。




そんな
わたしの
心配をよそに

母のるんるんライフは
続いていくのでした。



いつ行っても
機嫌のいい母をみると
わたしも
幸せな気持ちになっていました。

お相手の方を心配しながらも……




が、
しかし  
 


そんな
幸せな日々は
長く続かないのでした。






この生活に
終わりが来るとは
予想だに
母もわたしもしませんでした。




わたしが安心して
少し
訪問が
遠退いていた頃、




施設から
突然の電話。



母が
この三日間
食事どころか水分まで
完全に拒否して
衰弱してると。
点滴しようとしても
断っていると、
こちらではこれ以上
どうすることも出来ないので
このままだと
提携の病院に入院です。と、言われました。




急いで駆けつけました。





後編に続く。




これ、実話ですから。