以前の職場に妹同様に可愛がっていた後輩がいた。新婚ホヤホヤの我が家へも時々顔を出してくれ早く結婚したいと願ってた。あと1ヶ月で新築の家が建つんだよ~そして初めての海外旅行も行くんだ~って彼女は年末にそういって帰って行った。

元旦の朝けたたましく鳴り響く電話。誰だ~正月早々と電話に出たら実家からだった。落ち着いて聞こうでって母の言葉。「何?」次に出た言葉は彼女が亡くなった知らせだった。初詣の帰りの事故だったらしい。人間はあまりに突然で予想をはるかに超えると頭が理解をしなくなるようで、母の言ってる意味を理解するのに時間がかかった。すぐさま同僚達と自宅に行き彼女と対面したが、そこに居たのはおでこに絆創膏を貼って眠ってる彼女だった。皆がすすり泣く中私は涙が出なかった。実感がないと言うのが正直なところだった気がする。その日はとりあえず自宅に帰り段々と実感が湧いてきた。もう会えない。もう形としての彼女に二度と会えない。そう思うと涙枯れるまで泣き続けた。もう20年前の話です。

その時のご両親の姿が未だ目に焼きついています。私は出来の悪い娘だけどせめて親より長生きしてあげなきゃと心に誓った気がします。


ある法事の時にお坊さんから一番の幸せは「爺死に、婆死に、トト死に、カカ死に」です。って言われました。えっ?って思いましたが、順番どおりに逝くのが幸せなんだと。決して子供が先に逝ってはいけないのですね。


我が家の子達は人間より長生きするのは無理でしょうが、どうかどうか長生きして欲しいです。大往生と呼ばれる日まで。


今日も一つ空に星が増えました。

ご冥福を祈ります。そして飼い主さまが元気になれる日が早く来るように。