冷静に考えれば、新NISA普及が国民の為だけではないことは想像がつきそうだが、「楽天カードでつみたてNISAをやれば楽天ポイントも溜まるしやらないと損!」と皆思うのだろうか?
どうして、どこの金融機関もFPもほぼNISA推しなのか?
仲介する金融機関にとっても表面上の手数料がほぼゼロのこのような儲からないパッケージを販売することに何の意味があるのか?もし疑問に思わないのなら謎だが、投資の世界で(手数料で自分たちが)儲からないものを売るということはあり得ない。
特に、つみたてNISAに関しては、積立投資というマイナーで販売サイドの手間が長期に渡ってかかる面倒くさい商品がかつて普及したことがない日本という国で、いまや誰もがつみたてNISAをやるべきだと信じているとしたら、私には異常としか思えない。
大半のひとが投資するものは、大半の人が損をして、一部のひとだけが儲かる仕組みで成り立っている。
では、誰もがつみたてNISAをするのが当たり前になったら誰が儲かるのだろうか?
そもそも、公的年金がちゃんと運用されていればつみたてNISAなど誰もやらなくて良かった筈だ。
まずは生成AIであるChatGPT先生に「つみたてNISAをやらない方が良い理由」について意見を聞いてみたが、今回は新NISA普及戦略の裏側にある政府にとってのメリットは何?という質問に対する人的な回答をQuoraからも引用させて頂く。
やはり、人的な回答のほうが説得力があるし面白い。
私はChatGPT先生にも一応聞くが、どちらかと言えばQuora派だ。
質問:
「新NISAが始まりました、しかし納税対象外なので政府にはメリットがありません。 投資をさせて滞留している資金を動かすのはわかりますが、それだけの理由で始めたのでしょうか?何か裏がありますか?」
以下、Joshua Higuchiさんの回答
第一の理由は、不足する年金を個人の投資によって補ってもらうためです。
年金は保険方式であり、現役時代には皆同じように年金保険料を納める訳ですが、同じ額を納めても、早く亡くなる人は殆ど受け取れず、長生きする人はずっと貰えます。これまでは、早く亡くなった人の納めた分が、長生きする人に回っていたので、うまくいっていました。
しかし現在のように、医療の進歩で長生きする人ばかりになると、当然足りなくなってしまうのです。
困った政府は、新NISAで投資を喚起し、足りない部分を個人の投資で補ってもらうことを考えた、という訳です。
第二の理由は、これによって株価を上げるためです。新NISAでは、年間に買える額に制限を設けているので、一旦売るとお金が戻っても、それ以上は買うことができません。これにより、買った株をなるべく売らせないようにしているのです。また投資初心者に薦められる「つみたてNISA」では、基本的に買い一方の投資になります。
こうして「売り」を抑制し「買い」を増やせば、株価は上がり続けます。
実は米国株が上がり続けてきたのは、こうした仕組みがあったからなのです。米国には401kという制度があり、会社員は基本的に給料天引きの積立投資をさせられています。米国の会社員はこれを殆ど意識することがなく、リタイアするときに思わぬ資産があることに驚くと言います。アメリカ人の金融資産に株式などの比率が大きいのも、実は彼らに金融リテラシーがあるからではなく、単にそうさせられているからなのです。しかし、この仕組みで米国経済が成長しているなら、それは国にとっても個人にとっても喜ばしいことです。
だから「日本も真似しましょうよ」ということだったのです。
そして、もっと「裏」の話をしますと。
日銀がETFで日本株を大量買いしてきた事実はご存知だと思います。
しかし日銀が大量の株を持つと、市場に出回る株が少なくなってしまうので、本来これは売らなければなりません。しかし日銀がこの大量の株を売れば、日本株は大暴落してしまうので、売るに売れなかったのです。
そこで、個人が新NISAで株を買い続けてくれれば、日銀はこれに合わせて少しづつ株を売り、株価を下げることなく持ち分を減らしていくことができる訳です。
つまり新NISAは日銀の持ち株を市場原理のもとで個人に移す仕掛けだったのです。
日銀は今より遥かに安い時期に株を買っているため、これにより莫大な売却益を得ます。しかし日銀はこの利益を利益剰余金として政府に渡す決まりです。
だから・・政府は莫大な利益を得るのです。政府はこのお金を使って、これまた膨大な政府債務を返していくのでしょう。
今、岸田政権をアホだと思っている人は多いと思います。しかし、この政権を裏で支えている人達は相当に賢い。私はそう思います。
回答は以上。
政府にとっては、課税以上のメリットがあるということが上手く説明されている気がする。
新NISAは、既に詰んでいる日本経済の延命措置として導入されたものであり、延命はできても完治はしないので、長期的には国民ひとひとりの利益を損ねる可能性が高いだろう。
このような国策商品を買わされている異常さに早く気付いてもらいたいものだが、投資経験のない若い人には難しいのだろう。