HSBC Vietnam休眠解除のために先日わざわざホーチミンに行ってきた。
そもそもの問題は、スマホアプリにセキュリティーデバイスを移行しようと思った時に既にセキュリティーデバイスの電池が切れており、移行できなかった事に端を発する。
ご存じで無い方も多いと思うが、世界主要各国に存在するHSBCは、国が違えばアプリも別のアプリとなる。
例えば、香港とシンガポールと中国の3つのHSBC口座を持っていれば、それぞれの国のアプリを合計3つ使用することになる。
ひとつの国のアプリやインターネットバンキングからでもGlobal View(グローバルビュー)というメニューから各国のサイトに飛ぶことはできるが、セキュリティーデバイスの機能に関してはそれぞれの国のアプリで有効化が必要となる。
携帯(スマホ)を新調した場合には、その各国全てのHSBCアプリを順番に移行しなければならない。
そして、そのアプリの設定や機能、移行の手順などは国によって微妙に異なる。
ベトナムのHSBCの場合は、アプリの初期起動には物理的なセキュリティーデバイスが必要となっており、電池切れだとアプリを起動することができない。
電話をして新しいセキュリティーデバイスを送ってもらおうと思ったが、インターネットバンキングのメニューからは既に新しいセキュリティーデバイスの有効化するメニューが消滅しており、現地の窓口に行かなければセキュリティーデバイスの入手と有効化ができないという不便さ。
そうこうしている間に、ATMデビットカードの有効期限が切れ、お金が動かせなくなったために口座が休眠になってしまった。
なので、最終的なミッションとしては、1)口座の休眠解除 2)セキュリティーデバイスの入手と有効化 3)ATMカードの再発行ということになった。
ところが最近のルール変更でATMカードはベトナム非居住者には発行されないことが判明し、3)は不可となる。
ベトナムでは現金の持ち出し制限が厳しく、現金の持ち出しはUSドルで5,000ドルまで、ベトナムドンでは1,500万ドン(なんと9万円相当)までというショボさ。
口座を解約して現金を持ち帰ることもできない。
ちなみに無申告で5,000米ドル以上を持ち出そうとして見つかった場合には全額没取されるとのことなので注意が必要だ。
ATMカードが発行されないというのはこの上なく不便である。
最近HSBC香港でも、もともと海外居住者用に発行されていたと思われるWorld Mastercard Debit Cardという手数料無しで現地通貨をその通貨の口座から引き出せる便利なマスターカード系デビットカードが新規発行されなくなったが、そういう動きがあるのか?と邪推してしまうがとにかく不便だ。
口座の休眠が解除され、インターネットバンキングが使えるようになれば、USドルなど外貨に関してはオンラインで海外送金することができるが、現地のベトナムドンに関しては、海外送金が全くできないし、人民元と同様に、いちどベトナムドンに両替したものはドンから外貨に戻すことはできない。
つまり、完全なゴキブリホイホイ状態となる。
かつてのように、ベトナムドン定期預金の金利が年10%とか付くのであれば放っておいても良かったが、今はそんなに金利も付かないし、そもそもベトナム非居住者はベトナムドンの定期預金口座は持てなくなって久しい。
アカウントマネージャーによれば、非居住者でも購入可能な投資信託などのベトナムドン建てローカル金融商品があるらしいが、まずは休眠解除できなければ動かせないので話にならない。
休眠の解除には個人情報のアップデートが必要となり、パスポートなど認証書類のコピー認証は現地の行員でなければならなくなったため渡航が必須であり、なおかつ手続きには2-3営業日かかるということで、その場で休眠解除はできない。
結局、休眠解除が完了したと担当者からメールが来たの手続きから2週間後だった。
セキュリティーデバイスはその場で入手できたが、休眠解除が完了するまでは新しいセキュリティーデバイスと口座の連動ができず、インターネットバンキングにログインすることもアプリを有効化することもできない。
そうとは知らずに、2-3営業日と聞いていたので、5日目にアプリを起動しようとしたらログインIDにセキュリティーロックがかかってしまい、それを解除しようとホットラインに電話をしたところ、本人確認のOTP(ワンタイムパスワード)がSMSで届かない。どうやら登録されている香港携帯の国番号が間違って2桁で登録されているとのことだったがクソだ。
改めて、担当者にセキュリティーデバイスの連動確認と、登録電話番号の確認を依頼したが、果たしてアプリの起動までたどり着くのかどうか?
なんとなく、もういちどホーチミンに行かなければならない気がしてきた。
いずれにしても、口座に残っているベトナムドンは、現地で使うくらいしか使い道がない。