投資を学びたいと思う若者に捧ぐメッセージ | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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50代グダグダちょい悪おやじMr.Gの趣味と海外投資に関するコラムです。
香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

 

投資を学びたい、学ぶ必要があると考える若者が多いが、果たして何を学びたいのだろうか?

 

これからの時代を生きていくためには、働いて貯金するだけではなく、投資や運用の技術を学ばなければならないと思うのは当然だし、今や学校でも投資の授業があるくらい日本政府も「貯蓄から投資へ」というスローガンで国民の投資を推奨する方針であることはまちがない。

 

先進国において圧倒的に低い投資率を誇る我が国では、1,000兆円を超える現金預金と100兆円近いかもしれないタンス預金の大半を60歳以上の高齢者が握っており、当然の事ながらその年齢の方々は今さらリスクのある投資をしようとは思っておらず大半は現金で銀行に眠っている。

 

もともと政府が動かしたかったのはこの巨額な高齢者の預貯金であり、それを株式投資に向けさせて株価を持ち上げることにより、GPIFの年金運用も改善したかったのだろうが、それが思ったほど上手くいかなかった為に、貯蓄のない若者でも少額から始められるiDeCoやつみたてNISAの普及に転換したのであろうが、賢明な方にはお分かりにように、これは国策による若年層からの搾取以外の何ものでもない。

 

この数年で、つみたてNISAの口座数は20代30代の若者を中心に600万口座ほどになっているが、金額的にはまだNISA総買い付け額の6%程度の2兆円に留まっている。

 

これは、400万口座へ毎年積み立てが順調に累積すれば、将来は相当は額となるはずだが・・・果たしてどうなることだろう。

 

とにかく若者には、つみたてNISAブームに乗っかって何も考えずに始めるのだけは止めてもらいたい。

 

既に始めてしまっているひとも、止めるなら早い内に止めた方がいい。

 

積立投資を死ぬ気でやる覚悟のあるひとなら、ITAやRL360といったオフショアの積立をやったほうがどうせならマシだ。

 

日本の経済や、日本円という通貨の未来に関して、ほぼ希望が持てないという状況に自分が気付いた時はもう遅い。

 

投資を学びたいというひとは、自分の目で世界とその世界の中の日本という斜陽の国に住んでいる自分の立ち位置をまず確認することが必要だろう。

 

最近、「投資を勉強したい」という高校生に投資のことを教えて欲しいと言われたが、橘玲さんの小説「マネーロンダリング」の受け売りで、「投資をしないことが最高の投資」であるということだけを教えてあげた。

 

投資というものは、投資をする人が儲かるのではなく、投資商品を売ったり、投資をさせる人が確実に儲かる仕組みなので、自分自身がそれに乗っかって投資をさせられた場合に自分が儲かる可能性は極めて低い。

 

誰かに、ましてや政府とかに勧められる投資商品が儲かるこということはまずないと言って良いだろう。

 

小説「マネーロンダリング」では、「それと、税金を払わないこと」が究極の投資であると語られていたが、流石にまだ税金も払っていない高校生にそれを教えるのは止めておいた。

 

小学生向けに、うんこ先生のうんこドリルと金融庁がコラボをした「うんこお金ドリル」というものがあるが、これなどまさに政府のカネの無駄遣いというか、うんこ先生に頼まないとお金の教育を子供にできないという日本の末期的症状の表れだと感じる。

小学生向けコンテンツ「うんこお金ドリル」及び新成人向けコンテンツ「うんこクイズ」の公表について:金融庁 (fsa.go.jp)

 

エセ学歴社会から抜け出せず、親が塾に無尽蔵にカネを突っ込んで家計が破綻するような家庭で育った子供に、お金や投資や経済の本質を教えようとしても無駄だろう。

 

子供に対する教育に親が突っ込むカネはリーターンの期待できない投資であり、結果として投資ではなかったと、子供が社会に出てから気付くだけだ。

 

将来、どこかに就職する(企業に雇用される)場合も、企業側から見ればそれは人的な投資であり、AIにはできないような人間の本当に必要とする技術やサービスを生み出せる人間らしい能力に企業は投資していかなくてはならなくなる。

 

お金を払って投資やトレードの技術などを学んだり、上がらない給与の中からなけなしのカネをつみたてNISAのような泥船に突っ込むよりは、自分に投資して貰えるような技術や知識を身につける方が先決だろう。