海外銀行口座ではSMSによる認証がデジタルバンキングのカギとなっている | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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香港を拠点に活動する個人投資家であり、自称「投資戦略予報士」Mr.Gがお伝えする海外投資の生情報。
ねだるな勝ち取れ、さすれば与えられん!

スマホの端末と電話番号というものは、今や世界中の殆どの人がひとりに最低ひとつは持っているものだが、それがデジタルバンキングにおける本人認証の重要なカギになっているという話をしておきたい。

 

銀行業務におけるデジタル化の波は、スマホのアプリを使ったモバイルバンキングの普及によって画期的に変わろうとしており、それが今後の通貨そのもののデジタル化へと繋がっていくように思われる。

 

そもそも、通貨は銀行に入金された時点で、ただの数字でしかなく、それが誰のもので、誰が、誰の認証でそのお金を使うことができるのか?という単なる数字であるお金の帰属性をスマホアプリで管理するためには、そのスマホの端末がまるで特定の人間の体の一部で、一体のものであるかのような認識を、スマホとその電話番号の所有権の確認によって行うという、具体的にはその所有権が証明された電話番号にSMSで承認番号など、本人確認の通知を送ることによって成り立たせる仕組みだ。

 

銀行サービスにおける対面サービスを極力無くし、インターネットバンキングやスマホのアプリなどを活用したデジタル化によって合理化していくという流れは、香港の各銀行においては顕著であり、それについていけないひとは、銀行のサービスを利用できなくなる事さえ危惧されるレベルに達している。

 

香港からみても、中国からみても銀行業務のデジタル化に関しては周回遅れの日本だが、いずれその流れに飲み込まれていくことは間違いないだろう。

 

海外の銀行口座を既に保有しているひとや、今からでも開設しようと考えているひとならば、このデジタル化に今すぐに対応しなければならない。

 

既にHSBC香港など海外の銀行口座を持っている日本人は、個人ではおそらく100万人も居ないだろう。

 

香港やシンガポールを含むアジア地区だけに限定すればおそらくその半分の50万人くらいだろうか?

 

2023年1/31の日経電子版の記事によれば、CRSの情報交換によって入手された日本国内の個人と法人が海外に保有する口座情報数は250万件となっているが、そのうち個人の口座情報が何件かは分からない。

 

「国税庁は31日、経済協力開発機構(OECD)が策定した「共通報告基準(CRS)」による各国との情報交換制度で、2022年6月までの1年間に、国内の個人と法人が世界94カ国・地域の金融機関に保有する口座情報約250万件を入手したと発表した。口座残高の総額は約14兆円。情報は国際的な脱税事案の解明や租税回避の把握などに活用される。」

 

仮に、HSBC香港の口座を持っているひとが50万人中20万人くらいだとして、その口座をちゃんと活用し管理できているひとはどれくらいいるだろうか?

 

感覚的に活用率が20%くらいだとすれは、4万人といったところだろう。

 

海外の銀行口座を保有している日本人の総数が50万人くらいだとすれば、40万人くらいの海外銀行口座難民がいてもおかしくはない。

 

取りあえず、しなければならないことは、iOSでもアンドロイドでの良いので、最新機種のスマートフォンを使いこなすことだ。

 

銀行に関しては、銀行毎にアプリがあるので、そのアプリをダウンロードして、その端末が本人のものであるという認証を本人が行わなければ先に進めない。

 

※同じHSBCでも香港のHSBCとシンガポールのHSBCでは別のアプリなので注意が必要だ。

 

アプリ設定の際の本人認証は、電話番号に対して送られてくるSMSとメールアドレスの二段階認証が現在のところでは最もセキュリティーの高い認証方法となっている。

 

既にHSBCなど海外の口座を持っているひとで、まだスマホのアプリを使用していないひとは、いずれはアプリの導入を余儀なくされるが、登録されている電話番号やメールアドレスがアップデートされていなかった場合にはアプリの個人認証ができず、まずは電話番号やメールアドレスの変更を行う必要がある。

 

新規で海外の銀行口座を開設する際にも、名義や居住地など個人情報と連動したスマホの電話番号が重要なカギとなっている。

 

スマホのAPP(アプリ)を使用するモバイルバンキング(デジタルモバイルバンキング)が普及する前は、海外の銀行口座を開設する為に絶対必要なものは①パスポートと②英文の住所証明であったが、いまは住所証明は要求されないことが多くなっている。

 

その代わりに、個人名で契約されているスマホの電話番号とタックスIDが必須となっている。

例えば、日本居住者であれば日本の携帯番号を持っており、その電話番号の契約は個人の名前や住所と紐付きになっているバズだ。

 

HSBC香港のような海外の大手銀行では、パスポートの番号とSMSが受け取れるスマホの番号、そしてその電話番号(電話契約)が本人のものである証明(通信契約書など)が、今やデジタルバンキング上でセキュリティーを管理する上で重要なカギとなっており、今まで苦労して入手していた国際運転免許証や英文の銀行残高証明など住所証明は要求されないことが多くなっている。

(※それでも念のためこれから口座開設をする人は、英文の住所証明を持っていった方が良いが。)

 

特に、スマホの電話番号は、香港のHSBCの場合は海外の電話番号でもSMSが海外からも受信できるものであれば可能だが、契約者が特定されないプリペイSIMカードの番号などは使用できない。

 

また、日本の携帯ではauやau系列のUQモバイルでは香港現地でアプリ設定時の認証SMSが受信できないようで、口座開設には問題がないものの、アプリの設定は日本に帰ってからしかできないという不便が発生している。

 

携帯電話(スマホ)の電話番号は、今や金融機関が個人を特定するための重要なキーとなっており、世界中どこにいても、SMSが受信できる環境がなければ銀行のお金をアプリで自由に動かすことはできない。

 

逆に、現金が使えない時代になったとしても、スマホによって個人認証ができる状態にあれば、スマホのアプリで銀行にある全ての資産を安全に管理し、自由に動かすことも可能だと言える。

 

スマホの契約にあたり、通信料などのコストも重要だが、その電話番号の管理を委ねているプロバイダーの信頼性もよく考えた上で個人名義の電話番号を必ずひとつ確保しておく必要がある。

 

電話番号情報は、このような観点でみれば、マイナンバーなどよりも確実に個人を特定できるツールとなっており、その認識を新たにするべきだろう。