つい最近、マン島のフレンズプロビデント・インターナショナルが提供していた積み立てや一括の投資商品を契約している顧客に対して「SFC_16136」という題の付いた謎のレターが郵送されている。
私のところにも数日前に届いた。
いつものファンドの定款や名称が変更になるといった内容のレターではなく、よくよく読んで見ると3年前の2017年の7月19日に発表された、Friends Provident International Limited(FPIL)の吸収合併に関するAviva plcとInternational Financial Group Ltd (IFGL)(RL360グループと呼ばれていた会社)間の合意に基づき、Aviva傘下のAviva Group HoldingからIFGLの100%子会社であるRL360に、今年4月30日正式に移管される事になった のに伴うお知らせというものであった。
このお知らせに関して、既存のFPIL(フレンズプロビデント・インターナショナル)客が何かしなければならいことは今のところ無いようだ。
日本では2012年にFPILは日本居住者の受け入れを完全停止しているので、この旨のレターを受け取っているひとはそれ以前にフレンズの契約を締結し、今でも保有しているひとと言うことになる。
特に今回のアナウンスは、香港SFC(Securites and Futures Commission)の規制下での通知ということに見受けられるが、香港バージョンの証券保有者だけではなく、香港SFCやPIBAの規制下にないインターナショナルバージョンの保有者を含む全てのFPIL契約者に通知が行っているようだ。
フレンズ社が日本居住者の受け入れを停止した2012年以降、同じマン島のRL360(ロイヤルロンドン)とケイマン島のITA(インベスターズトラスト)が日本人のオフショア積立市場をリプレイスして今に至っている歴史の中で、現在唯一日本居住者を受け入れているマン島籍の保険会社であるRL360(ロイヤルロンドン)がかつては日本のオフショア積立市場において最大最強のシェアを誇っていたフレンズプロビデントインターナショナルを買収したというのはなかなか皮肉なものである。
今回AvivaからFPILを買収したRL360の現オーナーであるIFGLという会社は、2013年の10月にVitruvian partnersによって、RL360 Insurance Company LimitedをRoyal London Groupを買収するために設立され、その後2015年にCMI Insurance Company Ltd, 翌年にArdan Internationalを買収し、安定した成長を遂げている。
フレンズ社(FPIL)は£78億(UKポンド)の資産を持っており、買収完了後のIFGL傘下での合計預かり資産は£170億(UKポンド)=約2兆2,000億円相当、発行証券数は23万証券となる(2019年12月時点)。