FTLifeのリージェントプレミア2はどうなのか!? | Mr.Gの気まぐれ投資コラム

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さて、元ageas(アジアス)、現FTLilfe、この先?のFTLifeが提供するRegent Premier 2(リージェントプレミア2)という商品は買う価値のある魅力的な商品なのか?検証してみたいと思う。

 

歴史的には、ドラゴンリープという確定配当付き養老年金商品があったのだが、それがモデルチェンジでリージェントプレミアになり、昨年の3月にリージェントプレミア2になって今に至っている。

 

このリージェントプレミア2、正式名称はRegent Insurance Plan 2 (Premier Version)と呼ばれる商品は、基本的に死亡保障は付いているものの生命保険要素は殆ど無く、純粋に運用商品であると考えられる。

 

昨年のモデルチェンジでリージェントプレミア2になった時点で、確定配当を主体とした養老年金ではなく、非保証の運用部分が極めて多い運用商品(Savings Plan)となった。

 

支払い期間は、2年、5年、10年から選択可能だが、2年の全額プリペイという一括支払いを選択している人も多いように思われる。

 

特に、サンライフなど香港他社の商品には無いこの商品の特徴として、「ポリシーオーナーだけではなく被保険者を無限に変更できる」というものがある。

 

保険要素の殆ど無い商品とは言え、被保険者(通常はポリシーオーナー)の設定がある限り、もし被保険者が変更できない場合には、オーナーを変更しても元のオーナーが死亡する時点で解約になってしまうが、被保険者設定も同時に変更すれば、次のオーナーが死亡するまではポリシーは運用され続ける。

 

また死亡保障については、今まで一般的には100歳までというのが一般的だったが、このリージェントプレミア2では128歳までの保障となっている。

 

オーナーが存命中に、次世代に名義と被保険者を変更していけば100年を超える運用を世代を超えて行うことも可能であり、資産継承にも有効な投資商品となっている。

 

いま、FTLifeの商品を誰かに勧められるとしたら、このリージェントプレミア2を勧められることが多いのではないかと思う。

 

なぜかと言うと、売りやすい商品だからだ。

 

どう売りやすいか?というと、見積もり上で良い運用の数字を見せることができるからだ。

 

自分用に50,000米ドルx2年払いで総支払額=100,000米ドルの見積もりを取り寄せてみたが、確かに40年後には支払額に対して10倍の1mil米ドルという数字が出てきた。

 

これは、40年間6%複利の利回りに相当する。

 

私の理解では、海外の保険会社の提供する商品の運用期待値は年4%台であるにも関わらず、この数字は明らかに魅力的に映る。

 

しかし、そこにはちょっとした落とし穴がある。

 

US5万ドルを2年で支払った合計US10万ドルが、その38年後の40年目にUS100万ドルになる内訳は、

 

支払額:100,000ドル a) 保証解約返戻額:142,000ドル b) 非保証の配当及び金利:70,560ドル

c) ターミナルボーナス(Terminal Dividend):791,857ドル

 

・・・となっており、合計推定解約返戻額はa) + b) + c) = 1,004,417ドルになる。

 

これでお気付きのように、運用の殆どはc) のTerminal Dividendの部分となっている。

 

この非保証のTerminal Dividendが、どれくらい信頼性の高いものなのか?がこの商品の運用性の全てだと言っても良い。

 

通常の非保証のDividend(配当)部分は、毎年累積し、複利で増えて行くが、このTerminal Dividendはそういうものではない。

 

Terminal Dividendは、その年に解約したときに、いちどだけ発生するであろうボーナスであり、解約されなかった場合にはそのボーナスは確定せず繰り越しにはならない。

 

常識で考えると、このTerminal Dividendが解約時にゼロやマイナスになることはほぼ考えられないが、この見積もりにある数字の妥当性は、正直その時になってみないとわからない。

 

通常考えられる非保証のDividend(配当)と比べると、遥かにリスクの高い運用部分であると考える必要はありそうだ。

 

この見積もりだけを見せられると、右端の予想合計解約返戻額にだけ目が行きがちになり、あたかもそのTerminal Dividendという配当が毎年確定して累積していくかのような錯覚に陥るので注意が必要だ。

 

ここで、このTerminal Dividendの落とし穴を回避する為の「Terminal Divident Lock in Option」という機能を説明しておく必要がある。

 

これは、通常ちゃんと説明されているのかどうか疑問なことなのだが、そもそもリージェントプレミア2を勧められる際に、「Terminal Dividendが毎年確定累積するものではない」というリスクを説明されていない場合にはまず出てこない話だろう。

 

このターミナルデビデントロックインオプションというのは、15年目以降に、本来は確定しないターミナルデビデントの一部を無理矢理確定して累積する配当の部分に移動していくオプションである。

以下の見積もりの、オレンジ色の部分が、上記の見積もりに対して15年目から毎年自動的に総支払額(この場合はUS10万ドル)に対して8%の8,000ドルをTerminal DividendからDividendに確定していくオプションを取り込んだものだ。

要は、Terminal Dividendの利益確定オプションということになる。

 

 

15年目から毎年元本の8%にあたる8,000ドルをaccuulated Dividend and interestに移動していった場合、26年目からはTerminal Dividendは減少に転じ、43年目に元本の10万ドルに対して30%にあたる3万ドルを残したところでロックインオプションは解除となる。

 

このように、現実的に15年目からTerminal Dividendの利益確定をしていった場合、40年後の解約返戻額は100万ドルではなく、621,737ドルと、利率で言えば4.7%程度のより現実的な数字になる。

 

しかも、その数字すら確定ではない。

 

このリージェントプレミア2の見積もりのトリッキーなところは、他社の商品と比較すると、このTerminal Dividentの比率が異常に高い点であり、それを当てにすると高い利回りが期待できるという点であり、売る側からするとロックインオプションを適用しない1枚目の見積もりは、リスクの説明を緩めにすれば営業のツールとして非常に使いやすい。

 

現実の期待利回りを、ロックインオプションを前提に4%台で見ておけばまあまあ手堅いかもしれない。

 

見積もりのように5万ドルを2年払いで合計10万ドル振り込んだ場合、元本の10万ドルが確保可能な損益分岐点はTerminal Dividendも含めて6年後だが、Guaranteed Cash value = 確定解約返戻金ベースで元本が確保されるのは12年後となる。

12年後の非保証の配当及び金利の累積予想はまだたったの6,000ドルしかないので、Terminal Dividend次第で元本確保できる年数は6年~12年後と考えられる。

 

ホールライフの生命保険になるが、香港サンライフのライフブリリアンスの場合、最短の5年払いで同額を支払った場合でも10年払いで10万ドルを支払った場合でも、元本が確保可能な予想損益分岐年数は13年後となっている。

 

資金の流動性という観点で見ると、リージェントプレミア2の方が良いと思われるが、サンライフの商品でウェルスビルダーという商品も一括で投資した場合には5年後あたりが損益分岐点になるのでその方が良い。

 

このような保険会社が提供する運用商品の選択は、何を重視するかで非常に難しい。

 

そもそも必要なのが死亡保障を重視した生命保険であれば貯蓄型のホールライフか、高額保障重視のユニバーサルのどちらかになるが、億円単位以上の保障が必要で億円単位のプレミアムを支払える人の数を考えると、殆どの人はホールライフ生命保険しか選択肢が無い。

つまり、サンライフ香港で言えばLife Brilliance(ライフブリリアンス)だ。

 

一方、保障よりも将来の年金として、投資した額に対して元本を確保したまま確実に配当を死ぬまで受け取りたいというニーズであれば、サンライフのダイアモンドインカムかFlexiretireのようなAnnuity(養老年金)商品がお勧めだろう。

 

FTLifeのリージェントプレミア2は、確定死亡保障ののある生命保険でもなく、確定配当のある養老年金でもない運用商品だが、保険会社・・・といっても今のところ香港ではサンライフとFTLifeしか日本居住者の選択肢は無いが、が提供する元本割れの可能性がほぼ無い投資商品の中で、最も運用性を重視した商品であると言える。

 

そもそも、運用性を重視するのであれば、本来はフレンズプロビデントのプレミアやRL360のクアンタム、ITAのエボリューションといった積立ファンド商品が、究極の運用パッケージなのだが、元本割れのリスクを投資家が受け入れられなくなってきたため、最近の傾向では元本割れしない可能性が高いこのような保険商品や、ITAのS&P500インデックスやプレミアトラスト(PA)のプロベストのようなインデックス連動型の商品がもてはやされるようになってきた背景があるように思われる。

 

元本確保の構造について議論のあるものの、ITAのS&P500インデックスやPAのプロベストなどインデックス連動商品の場合、15年の積立で元本の140%が保証されているとすると、年4%の複利保証に相当する。

 

サンライフやFTLifeが提供する生命保険商品や養老年金商品で非保証の配当を含む利回りの期待値もおよそ4%である。

 

リージェントプレミア2の場合、Terminal Dividendに関するリスクの説明にやや問題があるものの、年6%の期待利回りを見積もり上見ることができるというのは、見方によっては魅力のある商品であると言えるが、自分にとってはやや中途半端な商品だと思える。

 

元本の保全に固執してこの商品を選択した結果、4%を割る利回りしか得られない可能性もあるからだ。

 

しかしながら、最初から積立ファンドそのものを選択肢から外した場合には、選択肢として無くはないかもしれないが、その場合はなるべく短期間で1,000万円くらいは投入したほうが良いだろう。

 

私の場合、リスクは積立ファンドの方で十分張っているので、同じ1,000万円を投入するなら確定の死亡保障が付いていて、13年目以降に4%の利回りが生きている限り期待できるサンライフ香港のライフブリリアンスを選択するだろう。