今や、世界中の誰もが日常的に使用し、情報をインターネット上で共有するシステムWorld Wide Web(WWW)というものが発明されてから、25周年だそうです。
ティム・バーナーズ・リー氏によって欧州原子核研究機構(CERN)に現在のWebの基本構想が提案されたのが1989年の3月12日だったということで、3月12日をWebの発明から25周年と正式に定め、以下の特設サイトではバーナーズ・リー氏によるビデオメッセージや、これまでのWebの歩み、「あなたがWebについてまだ知らない25のこと」などの読み物、Wikipediaの創設者ジミー・ウェールズ氏、「インターネットの父」とされる村井純慶應義塾大学教授、楽天の三木谷浩史社長などからの祝福のコメントが掲載されています。
記念イベントとして、ティム・バーナーズ・リー氏によるAMA(Ask Me Anything、日本でいう「○○だけど質問ある?」)を本日13日午前5時(日本時間)から掲示板サイトRedditで開催される模様です。
http://www.reddit.com/r/IAmA/comments/1zugvf/i_am_tim_bernerslee_i_invented_the_www_25_years/
1980年代初頭には、アルビン・トフラー氏がコンピュータのの普及による情報化社会の到来を予見した『第三の波』という著書が話題になり、私も学生時代に経済学部のゼミでこの課題について議論した記憶がありますが、当時は全く実感のないものでした。
1990年代にアメリカで起こったインターネットの普及が世界中に広まるのに10年近くがかかり、2000年に入ってからようやく日本ではインターネットでモノを買う文化が広まり始めたと言ってもいいでしょう。
1995年のサンドラ・ブロック主演映画『ザ・インターネット』では、数年前にこのウェッブ発明者であるティム・バーナーズ・リー氏が警告を発している「政府による個人のウェッブ使用制限に関する法律のリスク」を予見したかようなウェッブ依存社会に潜む恐怖が描かれていました。
インターネットにより情報が高度に共有される未来の電脳社会を描いた『攻殻機動隊』の原作漫画が、「ヤングマガジン海賊版」で公開されたのがウェッブが発明されたとされる25年前の1989年であったというのはなかなか興味深い事実です。
ティム・バーナーズ・リー氏が警告しているように、今後のウェッブ社会の課題は、情報を共有する権利を我々個人がどのように守っていくか?また、個人の情報やプライバシーをどのように個人が守っていくか?という2点に集約されているような気がします。