最近香港で面白いファンドの話を聞きました。
「ARGYLE」=「アーガイル」というケイマン籍のファンドで、日本人の好きな元本確保型でほぼ確定に近い配当を出すものです。
ちゃんとISINコードも存在するファンドです。
米ドル、ポンド、豪ドル、カナダドル、ユーロで現在の配当金利は年9.25%です。
シンガポールドルで8%、日本円だと6.5%になります。
配当は4半期ごとに支払い。
繰り延べのできるバージョンの商品もあるようです。
米ドル建てて年9.25%というのは、次々に破綻していく日本人向け詐欺ファンドの付き3~5%に比べると地味ですが、「プロパティーバンキング」の配当が年7%~であることを考えると、元本の流動性もあってこの配当は悪くありません。
さて、このファンドの実態はなんなのでしょうか?
簡単に言えば、貸金系のファンドですが、「売掛債権ファンド」とうカテゴリーに入ると思います。
なんとなく、リーマンショックの原因となったCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)とかを想像してしまいますが、このスキームではレバレッジも使わず、主に、中小企業から大企業への売掛債権に投資する比較的安全な手法とのことです。
あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、「ファクタリング」という企業の資金調達手段に投資をするスキームです。
例えば、ナイキなど大手のメーカーが中国の工場から靴ひもを仕入れているとすると、靴ひものメーカーはナイキから前払いを受けることは不可能で、DA90日などサイト付の支払い条件を受け入れなければなりませんが、そういった工場がキャッシュフローを維持するために短期の融資を受けるために活用するのがこのファクタリングです。
ファクターそのものがファンドになっているのではなく、大手のファクター会社に融資するファンドという表現が正しいようです。
なので、最終的な融資先は世界中にまたがり、共通していることは、売り先が信用の高い大企業であるという点です。
敢えてリスク要因と言えるのは、商取引上の詐欺であるということですが、過去5年間の経験では可能性は極めて低く、仮にあったとしても保険によってカバーされるということです。
このファンドを私の知っている代理店が取り扱うかどうかも分かりませんし、自分がこのファンドを買うかどうかもいまのところ分かりませんが、簡単なスペックを記載しておきます。
【ARGYLE FUNDS SPC INC.】
最低投資額: 5万米ドル(又は同等額)~
最低追加投資額: 2万5千米ドル(又は同等額)~
投資通貨: 米ドル、英ポンド、カナダドル、ユーロ、シンガポールドル、豪ドル、日本円
証券発行地: ケイマン諸島
配当サイクル: 四半期
購入手数料: 4%
評価日: 毎月最終営業日
運用報酬: 2%
早期解約手数料: 5年間で0~5%
管理者(Administrator): バターフィールド・フルクラム
監査法人(Auditors): BDO
指定銀行: JPモルガン(ロンドン)
インベストメントマネージャー: パーマネント・バリュー・アセット・マネジメント
証券保管機関(Custodian): ケイマン・ナショナル・トラスト